杜若のキリを舞います/岡諷会夏の素謡会

今日は岡諷会素謡会の夏の能おさらい会

謡は「菊慈童」のワキ方
仕舞は「杜若(かきつばた)」キリ(最後)の舞。
を演じさせて頂きます。

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♪ 匂いうつる 菖蒲(あやめ)の鬘(かづら)の
♪ 色は何れ 似たりや似たり
♪ 杜若花 菖蒲 梢に鳴くは
♪ 蝉の唐ころもの
♪ 袖白妙の 卯の花の雪の
♪ 夜も白々と 明くる東雲の
♪ 浅紫の杜若の
♪ 花は悟りの心開けて
♪ すわや今こそ草木国土
♪ すわや今こそ草木国土
♪ 悉皆(しっかい)成仏の御法を得てこそ
♪ 失せにけれ
          (能「杜若」キリ)

八ッ橋がかかる杜若たちの水辺の光景を
視覚・聴覚・臭覚までも総動員して
世阿弥は描いています。凄い!

まだとても舞えない高度な仕舞なのですが、
大好きなので妻に尻を叩かれ叩かれ、
恥ずかしながらの登場です。

( 8/10 もくせい会館 1時より)

第2回ケアメン講座「リハ・パークしずおか見学会」へ行ってきました。

団創の理事長の紹介があり、興味を持ったので
リハ・パークしずおかへ行ってきました。

近いうちに母、妻を介護する様になるかも。
・・・と初めて体験するケアメン講座。

2回目は城東町にある施設「城東保健福祉エリア 保健福祉複合棟2階」
「リハ・パークしずおか」で介護用品と自宅介護のための 
部屋の作り方について学びました。

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介護の世界は想像以上に進んでいるんですね。
車椅子、杖、トイレから補聴器、介護用箸まで。
色々な福祉器具が紹介されていました。

 

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実際に使ってみると、なるほど使いやすい。
でも、操作が複雑でわかるかな?
と思われるものも幾つかと、色々でした。


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又、風呂とトイレの改造や設備も
費用はかかるけれど理想的なものでした。

 

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床の段差の解消や手すりの付け方など
比較的簡単にできるものもあるので
早速家でも応用したいと思います。

 

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将来自分が先に介護される側になるか、
介護する方になるのか分かりませんが、
たいへん役に立つケアメン介護講座でした。

 

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この施設、まだまだ認知度がなく、
もっと多くの人に見学に来て欲しいとの事です。

さて、ケアメン講座第三回は
来月(8月25日)アイセル(女性会館)で
排泄についての講座があります。
もちろん、早々に申し込みました。

歴史と選挙と映画と/7月20日私の行動

7月20日 午前10時 青葉小学校跡地
「戦国時代末期のまち(道と武家屋敷の石垣)
駿府で初めて発見。」
のニュースを聞いて、その説明会に参加。
貴重な遺跡を見ようと大勢の人で賑わっていた。

 

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午後1時 浜松駅北口。
立憲民主党の立会い演説会に遭遇。
党首の枝野氏が声を枯らして
徳川家広候補を応援。
ここでも大勢の人が聞き入って
拍手をしていた。
静岡は国民民主党候補と接戦の模様。
ガンバレ立憲!

 

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午後4時 浜松駅。
観たかった話題のドキュメンタリー映画
「主戦場」を鑑賞した。
静岡市ではやらないので
浜松シネマイーラまで来た。
案の定、満員に近い状態。
慰安婦問題って全く解っていなかった。
単に日韓の問題でなく普遍的な人権問題。
だから世界が騒ぐ。
難しかったけれど勉強になりました。

 

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真実のために自分を信じて疑え/映画「新聞記者」

最初から最後まで瞬きもため息もさせない
サスペンス満載のエンターテイメント映画。

まさに政治こそが自分の人生を左右する
最大の力である事を証明した映画。

シム・ウンギョンと松坂桃李田中哲司
3主役俳優の絡み合いのバランスが見事!

時にカメラがクラクラ動いて不安感を煽ったり、
特に最後の3人の顔のクローズアップが圧巻!!

ヒット作「カメラを止めるな」クラスの
ビッグな興行成績になるか?

映画の出来が今一つ(日経シネマ万華鏡では★2つ)
という批評は権力側からの圧力があったのか??

誰かと語りたくなったり何かを書きたくなったり
とにかく鑑賞後長く尾を引くオススメの映画です。

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印象的な言葉
「真実のために自分を信じて疑え」
「民主主義はカタチだけでいい」

面白かった事
映画の前のCM編にSSK缶詰やオレンジハウス
混じって立憲民主党のCMがあった事。

( 7/15 MOVIX清水で鑑賞)

政治の季節

参議院議員選挙も後半戦に突入。
政治には疎い私だけれど、自分なりに考えている。

50年前、私は明治大学の学生だった。

大学のあるお茶の水駿河台界隈に登校すると、
道路が催涙弾で煙り、火炎瓶や木片、布切れなどが
散乱している状況が度々あった。

大学の授業は度々休講になった。
それでもクラスメートは教室にあつまり、
侃々諤々、政治的な持論を皆で論破し合っていた。
臆病な私は、当時はいわゆるノンポリだっが、
その時議論出来ない事がとても恥ずかしいと思った。

そのうち大学が閉鎖され、半年以上休講となる。
私は静岡へ帰り、家業を手伝ったり、
休みを利用し、友人と東北へ旅行に行った記憶がある。

 

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「1968年」-無数の問の噴出の時代ー(国立歴史博物館)2017年

 

 卒業して何年か後、家の仕事を継いだ私は
仕事に専念し、政治的な事はすっかり忘れた。
ただ、ビジネスに埋没するだけはいやだった。
一つだけでも社会との間をパイプで繋がっていたいと思い、
人権活動グループアムネスティ・インターナショナルに参加。

政治への関心は深くはないが、無関心ではなく、
イラク戦争反対や原発反対のデモや集会にも参加した。
まだまだ学生気分が消えず、今に至っている。

家族にも政治議論を吹っ掛けては嫌われ、
でも、政治を変えていくのは身近から、との信念は強く、
そのおかげか、保守革新問わず、家族全員必ず選挙に行く。

選挙は庶民に平等に開かれた社会の窓
選んだ候補者は何度も何度も落選し、そのたびに落ち込んでも、
その権利だけは無駄にしたくない。

政治的な事は難しくてわからない。
しかし、解りたい・・・とは思う。

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1968年 ー激動の時代の芸術ー (静岡県立美術館)2019年
 

至福のとき、関野晃平展を観る。

幻の漆芸家「関野晃平」氏の作品展が
静岡県島田市で7月7日まで開催されている。

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知る人は僅か、(入場者は少ないそうだ)
けれども、氏の珠玉の作品を知っている人なら
遠く神奈川県からまでも来ていた。

これだけの完成度の高い作品を作りながら名前は残さない。
作品を見て貰えばわかるという自負もあるだろうけれど、
そのかわり大勢の人に顔も名前も知られる事もない。
もちろん氏は有名になる事を望んでいない。

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偶然氏の作品を見て、その完成度に感動した
白洲正子さんの様な感性の高い人が
黒田辰秋の陰に隠れていた氏を世に知らしめた。
(黒田辰秋の工房で弟子として12年仕事をした)

 

すり漆の作品
 素材と漆とカタチのバランスが見事。
 端正で力強い箱や器。
螺鈿の作品
 貝がこの位置に置かれる事を望んでいる様に
 整然と光沢を放って収められている。
沃地の作品
 斬新なモノトーンの作品で、光に透けると
 乾漆粉の粒子が浮かんで見える。

 今回は特別に,試し塗りの漆や
氏の使用したカンナ、刷毛、紛筒などの道具も展示されている。

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初日にお会いした氏の奥様は
もうこれが最後の展示会かもと仰っていたけれど、
知人のデザイナーは国立近代美術館工芸館などで
多くの人に見て貰うべきだ、と言っていた。

ひっそりと、静かに作品と語り合う、
至福の時間をたっぷり味わえる
稀有の展示会です。

 

「漆工芸家関野晃平と伊久美の空」
  会期  6月1日(土)~7月7日(日)  
  会場  島田市博物館
  入場料 300円

関野晃平氏展示会の動画
https://www.youtube.com/watch?v=_yBy94C3lmM
https://www.youtube.com/watch?v=22_QT0J8R_o
https://www.youtube.com/watch?v=vcHwjwsmpwM

 

亡くなってから注目された画家 リヒャルト・ゲルストル

国立新美術館の「ウィーン・モダン」展は概ね物足りなかったけれど、
ひとつ思わぬ収穫があった。

「リヒャルト・ゲルストルの油絵2点が展示されていた事」

ゲルストルの事は私がウィーンへ行くまで全く知らなかった。
ところが、ウィーンのいくつかの美術館で
クリムトやエゴンシーレの絵の中にあって、
強烈な印象を残した画家がゲルステルだった。

そのほとんどが肖像画や自画像。
しかもニコリともしないどちらかというと暗い顔ばかり。

そして最も強烈だったのが、あのクリムトの「接吻」が
展示されているベルベデーレ宮殿にあるゲルステルの「笑う自画像」

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口は笑っているのに、目は泣いているのか怒っているのか、
絶望的な表情がなんとも不気味だった。

彼の生き方が凄まじい。

裕福な商家に生まれた彼は画家を志し、ウィーン美術アカデミーへ入学。
ウィーン分離派に飽き足らず独自の絵画を模索し、特に肖像画や風景が多い。
音楽への関心が高く、シェーンベルグと親しくなり肖像画を依頼される。
しかしその妻マティルダと親密になり、
二人で駆け落ちをするも、女の方は夫の元に帰ってしまい失敗。
追い詰められたゲルストルは、25歳で自分の作品を燃やしてから首吊り自殺した。

当時は全く評価されなかったが、今では表現主義の代表的画家として、
クリムトやココシカらと共に、ウィーンの主要美術館に展示されている。

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今回の「ウィーン・モダン展」には有名な「シェーンベルグの肖像」と
もう一点、「パレットを持つ自画像」が展示されていた。
「シェーンベルグの肖像」は彼のピアノ曲を演奏するポリーニ
CDの表紙に使われているので見た人もいると思う。

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