鈴木邸・秋の探書会

連休の最終日は「鈴木邸・秋の探書会」に行ってきました。
午前中の鈴木家当主のトークを聞きに行ったのですが、
あまりに楽しくて、長居をしてしまった。

画像に含まれている可能性があるもの:植物、屋外

加えて会場ではAさんSさんと二人も知人と遭遇した後
おしゃべりに熱中してお昼も過ぎて、次の回の始まり。

画像に含まれている可能性があるもの:2人、座ってる(複数の人)、テーブル、室内

午後は焼津市在住の21世紀の小泉八雲こと、
米国人ホラー作家松浦テリーサさんの講演があった。
続いて彼女の作品を自身で朗読。
その面白かったこと面白かったこと。

写真の説明はありません。

最後に本好きにはたまらない神田神保町ガイドブック本
など3冊を購入。(計300円!)
雨なのに、心は晴れ晴れとした一日でした。

おわらの里越中八尾町と合掌造りの里五箇山相倉集落へ

富山2日目。
高台のホテルから眼下に富山市、正面に立山連峰が連なる。
その中心、剣岳の稜線から朝日が昇る。
それを屋上大浴場から独り占め ← 早起きは三文の徳。

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さて、2日目は仕事を離れて行ったことのない富山の名所へ。
宿から車で15分の所に八尾町があることを知って先ずは直行。

おわら風の盆」の時はごった返すそうな八尾町も
今は観光客もほとんどなく、普通の暮らしの町の風景。
住人に「風の盆」の事を色々伺うことが出来て楽しかった。

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続いて車は砺波から庄川を登って世界遺産の集落
五箇山合掌造りの相倉集落へ向かう。

今では東海北陸自動車道五箇山インターで降りれば
15分で着いてしまう便利なところになっているが、
それではあまりにつまらない。
そこでわざわざ庄川沿いの山道をくねくね車を運転して
奥深い太古の集落へ向かうことを選択。

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白川郷と共に合掌造りで有名な五箇山
その中でも一番奥の相倉集落は24棟もあり最大の集落。
原始合掌造りあり、奥にはひっそり住民の墓地もある。
観光客もそれほど多くなく、じっくり見学できた。

八尾町も相倉集落も有名な観光地であると同時に
現在も住民が日常生活をしている。
ずっとその風景を残していくには民宿や土産店で
営みを立てているのだけれど、
観光客にいつも覗かれているのはストレスだなぁ。

写真を撮っている外人客に遠慮するように、
車を家に入れる住民の姿をみてそう思った。

「高岡クラフトコンペ」入選のため富山県高岡市へ

台風接近中のこの連休(9/21~22)
車で往復800km超の遠路富山へ行ってきました。

1日目は高岡で高岡クラフトまつりに参加のため。
そしてクラフトコンペの総評を聞きに。

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レベルの高い「高岡クラフトコンペ」に一度は
出展したいと思い、今年初めて「TEBACO」で挑戦しました。
結果は「入選」。名前のある賞に入りたかったけれど、
入選は全体の27%だから良い方かも。

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他の入選作品も素晴らしいものばかり。
その中から上位作品の表彰と各賞の講評がありました。
入賞と上位作品との評価を分けるものは
一口で言えばと「ワンポイントの革新性」。
つまり何処かに他にはない斬新なオリジナリティが必要なんですね。
木製品で言えば、桐材の重箱(普通でしょ)がその手があったか、
と思わせる見事なデザインでした。

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もちろん、「TEBACO」も他と比較して遜色なかったはずですが。

入賞者にはもう一つ、「作家のひきだし展」と言って、
今まで制作した作品を展示販売できる特権があり、
我が社「吉蔵」も小さな厨子や盆栽卓を展示しました。

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高岡は2度目、歴史ある貴重な街ですが
コンペ会場周辺はどの地方都市にも見られる
寂れつつあるシャッター通りの中心街でした。

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続けて高橋秀美の処女作「ゴングまであと30秒」を読む。

内容のユニークさと文章のうまさで 
暑さを吹き飛ばしてくれた 
高橋秀実著「悩む人・人生相談のフィロソフィー」 

続けて氏の処女作「ゴングまで30秒」を読む。  

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スポーツ音痴の私としてはボクシングは遥か彼方の世界。 
しかしうらぶれたボクシングジムに集う会長や 
若者たちの人生模様に思わず惹きつけられた。 

「学校や家庭をはみ出して、あえて殴り合いをしたい
 という練習生たちは、意外に素直で臆病で怠惰だが 
 彼らなりに懸命である。マスコミに登場する事のない 
 若者たちの素顔が、トレーナーの視点から描かれる。」 

作者はこのジムで3年間トレーナーをしていた。 
4回戦ボーイを筆頭に、悪(わる)やおたく引きこもりなど、
登場人物の逸話は全ては事実だそうだ。  

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今年の8月は本を4冊も読んだ。 
この本も今夜までには読み終えそう。 
まだまだ読みたい本が山積み。

脱哲学!?/「悩む人 人生相談のフィロソフィー」高橋秀実著

あ〜面白かった。

高橋秀実( たかはしひでみね)著
「悩む人 人生相談のフィロソフィー」

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哲学はつまるところ処世術である。

ただこの人の場合ああせいこうせいではなく
人生相談(=哲学問題)の回答者(著者)としては
あれはしないこれもしない方が良いと言う結論である。.

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例えば哲学についての章 (第9章 哲学を拝む)
日本の哲学はもともと西洋哲学の翻訳である。
英語はすべて漢語に訳されていた。
無知の知」=知ったかぶりをしないこと
弁証法」=ああでもないこうでもないと考えると賢くなる
さらに哲学語をすべて名詞に統一した。
「○○とはなにか?」
だから余計に解りにくく偉そうなのだそうだ。

続いて女性についての章(第18章 さかしき女)
男は母(女性)から生まれたことを忘れている。
キリスト教の罪とは母から生まれた事。
男から生まれ直すために洗礼を受けてきた。
女性を影の存在にしたがる歴史のありようを見ればわかる。

 

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などなど・・・・・

哲学とは「philosophy」の翻訳である。
「philein」(愛する)+「Sophia」(知る)が語源で
人生において重要なのは、「愛し方を知る」ことで、
「知を愛したりする」と知ったかぶりに陥るだけである。

暑気払いに哲学っぽい本が読めたなんて
なんて素敵なことなんだろう。

観る権利を奪われた。

あいちトリエンナーレの「表現の不自由展 その後」中止
について色々な人の意見や感想を見てきたけれど、
自分側から見れば一番腹立たしいのは
この展示会を楽しみにしていたのにその機会を奪われた事。

オープンと同時に何とか市長から横やりが入り
マスコミが騒いだので、これは危ない、
雲行きが怪しくなったから早いうちに観ておかなければと
中止の前日、4日朝一番の名古屋行き東名バスを予約した。
そしてその夜、4日から中止のニュースが入った。

がっかり! やっぱり!

そのあとはマスメディアやSNSで分析型意見や
感情型発言が相次ぎ、私も仕事そっちのけで
そっちの話題に埋没してしまったけれど・・・。

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それにしても主催者はとんでもないことをしてくれた。
前売りが前回の2倍も売れていたというし、
中止に至る経過が注目され最終日は長蛇の列で
入場制限したというではないか。

税金云々という愚かな大臣がいたけれど、
この展示会が超話題になって外国からの関心もあって、
爆発的にヒットしたら収入たるや莫大なものになるでしょうに。

「表現の不自由展」が中止になって前売り券は払い戻しになるの?
図録はその部分を消して今でも販売しているの?
私のバスの払い戻し手数料(900円)はどうしてくれるの?
などなど、要らぬ憶測をしてしまった。

まあ、私の感想はこんな程度の取るにも足らぬものだ。
しかし、「表現の不自由展」中止について
勝手な事を言っている人は多いけれど、
実際に観てきた上で意見を述べている人が何人いるんだろう。


いずれにしても一番の希望は
あいちトリエンナーレは10月まで続く予定だったから
早く元の状態に戻すよう計画を練り直して、
一日も早く私たちに観る機会を作ってほしい。

 

杜若のキリを舞います/岡諷会夏の素謡会

今日は岡諷会素謡会の夏の能おさらい会

謡は「菊慈童」のワキ方
仕舞は「杜若(かきつばた)」キリ(最後)の舞。
を演じさせて頂きます。

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♪ 匂いうつる 菖蒲(あやめ)の鬘(かづら)の
♪ 色は何れ 似たりや似たり
♪ 杜若花 菖蒲 梢に鳴くは
♪ 蝉の唐ころもの
♪ 袖白妙の 卯の花の雪の
♪ 夜も白々と 明くる東雲の
♪ 浅紫の杜若の
♪ 花は悟りの心開けて
♪ すわや今こそ草木国土
♪ すわや今こそ草木国土
♪ 悉皆(しっかい)成仏の御法を得てこそ
♪ 失せにけれ
          (能「杜若」キリ)

八ッ橋がかかる杜若たちの水辺の光景を
視覚・聴覚・臭覚までも総動員して
世阿弥は描いています。凄い!

まだとても舞えない高度な仕舞なのですが、
大好きなので妻に尻を叩かれ叩かれ、
恥ずかしながらの登場です。

( 8/10 もくせい会館 1時より)