男性を侮るなかれ。
先月(5/7)の朝日新聞の声の欄に
「男性脱衣所に女性の清掃員 不快だ」
という中年男性からの投稿があった。
「多くの公共浴場やスーパー銭湯の男性脱衣所で
女性の従業員が掃除をしているケースが多い。
なんとも思わない男性もいるだろうが自分は不愉快だ。
女性脱衣所に男性従業員が入ったら大変なことになるだろうに。
また、公園などの男性トイレで小便器が丸見えのところがある。
これも気になる。早急に改善を求めたい。」
・・・という内容の記事だった。
私も同感だけれど、女性も被害者なんだよな。
まずは経営者、責任者の意識改革が必要だと思う。
その他、男性だからと軽視されているケースはいくつもある。
私がとても不快に思ったTVドラマの一場面がある。
一昨年ほど前になるが、ゲイのカップルを描いた評判のドラマ
「きのう何食べた?」の中でこんな話があった。
料理好きな主人公しろさんがスーパーでスイカを見ていた女性と丸のスイカを
半分コすることになり、彼女の家に一緒に持って行くことになる。
ところがこの女性、家に着き、男女1対1である事に気付くと、
何を思ってか急にしろさんが恐ろしくなり「レイプされる!」など大声を出す。
その場に窮したしろさんは思わず「私ゲイなんです。」と叫んでしまう。
途端に安心したのか打ち解けて、その後帰宅した娘や旦那に
彼がゲイであることを告げ、しろさんを肴にゲイ談義が始まる。
しろさんはパートナーのケンジと違って、
ゲイであることを他人には公にしていない、なのに・・・。
自分の言いたくない事を咄嗟の場面で言わざるをえなくなってしまう。
ユーモラスな場面には違いないが、よく考えるとその男性にとっては
最も屈辱的な出来事ではないか。
第一、弁護士でもある人間が初対面でこんな軽率なことをするだろうか?
仮にTVドラマの創作ではなく、原作のコミックにあったとしたら、
女性のコミック作者がこの場面を笑い飛ばして描く事の
デリカシーのなさに呆れてしまった。
笑って済まされるレベルの問題ではないだろうに。
6/24のNHKクローズアップ+で「男性の性被害」の番組があった。
人間の尊厳に直結する性の問題。
こちらも男性だからと軽く見過ごされていいわけはない。
川柳を楽しむ
昨年の夏頃からZOOMで川柳を楽しんでいます。
シニアサークル「団塊創業塾」のメンバーが
コロナで集会所に集まることが難しくなった結果、
有志がオンラインを立ち上げそこで色々な行事を行っています。
その一つが「川柳会」。
たまたま会員に川柳の得意な人がおり、
その人の指導で初心者の私でも川柳を楽しめるようになりました。
月一度、決まったお題の川柳三題、各自自由なテーマの川柳(自由吟)三題
を皆で発表し合い、指導者が寸評してくれます。
さて、今月のお題は「歩く」。
私はこんな川柳を作ってみました。
車椅子 今朝も散歩の 脚となり
割と無理なく素直に出来たなと思っていたら、
ありがたくも💮(はなまる)を頂きました。
もう一つの自由吟の方は
胸はだけ 青葉の海で 溺れたい
今の季節のむせかえるような緑の中に入った時の
自然と同化してしまいたい気持ちを詠みたいと思いました。
最初は「ひかり浴び 緑の海に 染まりたい」でしたが、どうも物足りない。
そこで、熟慮して(ひねくり回して?)最終の句になりました。
さて、先生の寸評なんですが、実に面白かった。
「はだけるとか溺れたいとかいう表現が「淫」の匂いがする。
〇〇さん(私のこと)若い!」
褒められているのか戒められているのかわかりませんが、
とにかく抱く印象は人それぞれなんですね。
和歌や俳句を鑑賞するのが大好きな自分。
今日も朝日新聞朝刊連載の詩歌の記事を楽しみました。
「星の林に」〜ピーター・マクミランの詩歌翻遊〜
名にし負はば いざ言問わむ都鳥 我が思う人は ありやなしやと
業平にはなれない野暮なお爺さんの私ですが、
せめて夢の中では色男になって遊んでみたいです。
一斤600円の食パン
先日、馴染みのガソリンスタンドの社長から
ディンケル全粒粉パンという600円の
「すご~い高いパンを買った。」という話を聞いた。
パンが好きな私は「どこのパン屋?」と聞いたら
「そこだよ。」と家の近くを指したので興味を持ち、
どんなパンがあるのか出かけて行った。
三畳もない売り場の小さなパン屋さん。
(こういう店最近すごく多い)
11時半開店というのにもう中にお客がいる。
コロナ対策のためか店内は2人までの張り紙。
(こういう店最近すごく多い)
5分ほど待って1人出てきたので入店した。
聞きなれないパンの名前と少ないパンの種類。
目的は社長が買った「ディンケル全粒粉パン」だが、
その前に目に入ったのが一斤の食パン。
600円の値札があった。(私が普段買う食パンの2倍)
同じ600円なのでどちらにしようか迷ったが、
ラグビーボール型半分サイズでその値段なので
さぞおいしかろうとディンケルの方に決めた。
ついでにプレーンベーグルとクロムッシュも。
家に帰って家族で少しづつ分けて試食。
濃茶のディンケルは柔らかいが粘っこく歯につく。
中身も詰まって丁寧だが美味しいとは言えず微妙。
もの凄く美味しかったら次は食パンも買うのだが、
素材が高級だけでは食パンに600円出す勇気はない。
あの菓子パンのように甘い「乃が美」の食パンですら
二斤800円なのだから・・・。
〇〇は話が長く時間がかかる。
先日、百貨店にいらしたお客様の住む、
私はその方とはまだ売り場で対面しておらず、
電話で会話したのみなのでどんな方か分かりません。
さて、お出迎え下さったのは仏壇店の年配の女性。
赤とピンクの中間のルージュのような色のスーツ、
黒のタイトスカート、ヒールの靴と清々しい。
それは社長様で、年配の方という印象より
シャキッとした現役のビジネウウーマンの感じでした。
多くの社員を抱え仕事をしていらっしゃるそうで、
「私、84歳なのよ。」と自分からおっしゃいました。
なんと、私とひと回り上の子(ねずみ)年。
それからと言うものは、仏壇業界の事から家族の事から
お洒落の事から友達の事から次から次へ・・・。
あっという間に時間が過ぎていきました。
女性は話が長くて会談に時間がかかるとどなたかが言いましたが、
私より高齢の方で、こんなに面白く会話をされる方を知りません。
「それで? それで?」とまだまだ聞いていたい話ばかり。
ああ、こういう人こそ良いものを売る事が出来るんだな、と
つくづく感心した次第。
私も次の日、伊勢丹にアテンドする時は、親父ブルゾンなんかでなく、
ジャケットにネクタイとせめて若い時に着ていた出で立ちにしよう、
とさっそく実行に移しました。
この一曲をとことん語る・・・ラベル作曲舞踏詩「ラ・ヴァルス」
入っていた頃から好きだった。
今は妻の影響でもっばら邦楽を聞く機会が多いが、
半年ほど前、facebookで静岡AOIの講堂で行われる
クラシック愛好者サークルを知り、覗いてみた。
「この一曲をとことん語る」というタイトルで、
参加者が交代で自分の好きな曲を解説する会。
を聞いた後、順番が回って今月は私が発表する。
私が取り上げたのは、以前コンサートで聞いて、
ワインを飲んで酔ってしまったようになった
魅惑のワルツ、ラベル作曲舞踏詩「ラ・ヴァルス」。
「渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女がかすかに
浮かび上がって来よう。雲が次第に晴れ上 がる。
と、A部において、渦巻く群集で埋め尽くされた
ダンス会場が現れ、その光景が少し ずつ描かれていく。
B部のフォルティッシモでシャンデリアの光がさんざめく。
(ラベルの解説より)
一曲12分ほどの小品なので、今回はオーケストラ版、
ソロピアノ版、2つのためのピアノ版
の3枚のCDを取り上げて聞いてもらった。
私のクラシック音楽遍歴を紹介をした後、3つのCDを聞く。
まずは、オーケストラ版
ピエール・ブーレーズ指揮 ベルリン・フィルハーモニー
ゆったりしたテンポでワルツの創世期から爛熟した後、
なだれ落ちるように終わるまで、端正な絵画の様な演奏。
続いて、ソロピアノ版
ユジャ・ワン ピアノ演奏
中国の物凄いテックニックを持つ若手女性ピアニスト。
この超難曲を完璧に弾きって、唖然とさせる。
実力派ピアニストはこの曲を弾きたがるらしい。
最後は、デュオ、2台のピアノ版
大好きなマルタ・アルゲリッチとネルソン・フレイレの演奏。
急緩自在、天衣無縫なアルゲリッチに懸命に着いてくる
フレイレとのスリリングな演奏。
ワルツは色気がなくっちゃと語っているよう。
聞いた後、残り30分で参加者から感想を聞くのだけれど、
この会は音楽関係のプロも多く、専門的な話もどっさり聞けた。
それにしても音の美食を堪能した素晴らしいひとときでした。
来月が楽しみです。
2021年 明けましておめでとうございます。
今年観た映画・・・コロナ下で21本も
今年はコロナの影響で映画館が閉鎖されたり、
上映予定の映画が延期になったり、
好きな映画もお預けか、と思ったけれど、
例年以上、21本の映画を鑑賞した。
日本映画「カツベン」
イギリス映画「家族を想う時」
韓国映画「パラサイト」
アメリカ映画「1917」
日本映画「初恋」
アメリカ映画「名もなき生涯」
日本映画「半世界」
日本映画「火口のふたり」
中国映画「在りし日の歌」
ベルギー映画「その手に触れるまで」
フランス映画「グレース・オブ・ゴッド」
日本映画「君はなぜ総理大臣になれないのか」
日本映画「ひろしま」
韓国映画「はちどり」
アメリカ映画「TENET」
日本映画「生きちゃった」
チェコ映画「異端の鳥」
韓国映画「詩人の恋」
日本映画「スパイの妻」
以下、その中で選びに選んだ3本(公開順)
日本映画「火口のふたり」
身も心も知り尽くした夫婦でもない男女2人だけの映画。
震災を経て火口の崖っぷちにいる不安な日本人を暗示しているよう。
案の定、コロナになってしまった今、黙示録のような映画に思えた。
フランス映画「グレース・オブ・ゴッド」
性的虐待を描いてもセンスのいいフランス映画の味が消えない。
3人の男の物語をオムニバスではなくらせん状に描いて絶妙。
最近少ない気持ちをポジティブにさせるジェンダー映画でもある。
チェコ映画「異端の鳥」
自分への虐待が重なるにつれ生きる為の知恵と力が備わってくる。
野生の中に放り投げられた少年の行為は善悪で判断出来るのだろうか。
このモノクロ映画は人間を救済する張り詰めた1本の蜘蛛の糸のように思えた。
「Netflix」に入ろうか迷っている。
韓国ドラマ「愛の不時着」を観たいし、
Netflix製作の優れた映画が多々あるという。
劇場で観たいのはやまやまだけれど。