理想の学校・松代文武学校/長野編
古来、東アジアでは儒教の影響もあって、優れた教育のシステムがあります。
文武両道といいますが、学問と武術を体得することで、
将来の社会人としての良識あるマナーや秩序を学んでいきます。
そうした最もいい形の学舎が長野市松代にありました。
幕末期の真田藩の藩校から近代的学校建築への過渡期の建物です。
文に関係する、文学所、御役所、東序、西序の教室2棟、文庫蔵、
武に関係する、剣術所、柔術所、弓術所、槍術所などが敷地内に散在しています。
畳100畳敷きの教室、黒光りした道場の松の床、柱に残る槍の跡など、
当時の姿を今に残す貴重な文化財です。
8歳から14歳は勉強、15歳から35歳は武術を習ったそうです。
成績優秀者の親は役所でも昇進のチャンスがあったとか。
今も隣の松代小学校の授業がここで行われたり、卒業生をこの門を通して送り出したり、
なんともうらやましい教育環境ではありませんか。