想いを新しいカタチに繋げる

住宅を新築したり、引っ越したりするとき、

今ある仏壇をどうしたらいいか相談を受けることがあります。

私たちは仏壇の業者ではないので、特に一般的にはこうするという例はありません。

それぞれの方、それぞれの事情で千差万別だと思っています。

だいぶ前になりますが、引越しするという事で、

コンパクトな仏壇に変えたいというお客様がありました。

お宅に伺い、現在使っている仏壇を見せてもらうと、従来型の欅仏壇。

新居ではとても場所がないから、厨子型の小さな仏壇にしたいとのこと。

そして、ひとつ要望がある。

それは、今使っている仏壇の材を一部新しい仏壇に使って欲しい。



そうして再生したのが欅材の小厨子(画像)です。

もちろん、使える部分は限られていますが、良質の欅材なので、

内部の須弥壇、抽出、後背など、いろいろな所に使用しました。

ただ、唐草模様など飾りの部分は好まないので使わず、

いたってシンプルな厨子に生まれ変わりました。

最近、仏壇を新しくすることで相談のあったお客様も、同様の要望がありました。

こちらは、飾り模様を使って欲しいとのこと。

模様は後背や: 須弥壇の前、厨子の台の抽出などに使用出来そうです。

長い間家族と共にあった仏壇を、すべて処分してしまうのは心残りでしょう。

仏壇を再生する場合、家族の思いを新しいカタチに繋げることが出来たら、

素晴らしいなと思います。