文楽に行きましょう

洋楽一辺倒だった青年時代から、日本の古典芸能が加わって、楽しみの巾が増えた私の中年時代。

これは、古典に詳しい妻の影響です。

最初のうちはしぶしぶ出かけた歌舞伎や能の公演。

歌舞伎はともかく、能は睡魔との戦いでした。

しかし、優れた芸術というものは、だんだんに人の心を動かしていくのですね。

いまでは演目を選ぶのも、安いチケットを探すのも、私の楽しみです。

歌舞伎、能と来たら、次は文楽でしょう。

題材がリンクしているこれらの芸能を比較してみたくなるのは当然の成り行きで、

私もだんだん人形と浄瑠璃の世界に魅せられていきました。

あくまでも知的である武士の文化「能」にくらべ、義太夫が泣き叫ぶ文楽は「情」の世界。

近松が作り上げた「曾根崎心中」など心中ものの人形振りを見れば、もう目が離せなくなること請け合いです。



その文楽が静岡にやってきます。

どうせ地方公演は格下の演者が来るのだろうと思っていたら、大間違い。

なんと、人間国宝吉田簑助桐竹勘十郎のコンビが見られるのです!

しかも、国立小劇場の半分近くの3,500円で!

2人の人形遣いが務めるのは昼の部の「一谷嫩(ふたば)軍記」。

平家物語に題材を取った、熊谷直実と妻相模の息子の身代わり話です。

手の届くところにある世界無形遺産にふれる絶好のチャンスです。

東京では手に入りにくいチケットも、こちらではまだ、いい席が十分ありました。

是非この機会に文楽を楽しんだらいかがでしょうか。

 

 文楽静岡公演 

    昼の部 「一谷嫩軍記」「紅葉狩り

    夜の部 「二人三番叟」「御所桜堀川夜討」「傾城恋飛脚」

   9月28日(日) 昼の部13:30 夜の部18:30

   グランシップ 中ホール 大地 

   前売り券 3,500円  当日券 4,000円  発売中

   問い合わせ グランシップチケットセンター TEL 054-289-9000