年を重ね輝く

静岡特産品展東京展示会が終わりました。 今回も多くの来場者があり、たいへん盛況でした。 この展示会、毎回伝統工芸士の実演コーナーがあります。 今回は駿河竹千筋細工の伝統工芸士、森本甲子男氏の竹製虫籠製作が行われました。


駿河竹千筋細工は江戸時代から続く、静岡県の伝統工芸で、県で唯一の経済産業大臣指定伝統工芸品。 虫籠、花器、茶器、照明からインテリア製品まで、丸いひごを生かした独創的な竹製品です。 森本さんとは毎回ご一緒して、挨拶程度の知り合いでしたが、 今回、売り場が実演コーナーに近いこともあり、色々話を聞き、親しくさせて頂きました。 竹細工師もそれぞれ得意分野があるそうで、森本さんはたいへん細かい仕事を得意としています。 実際、製作中の御殿虫籠は、なんと!0.8mmの丸ひごが均一に揃い、 とても繊細で美しい竹工芸品でした。


仕事を進めていく手元のしなやかさ、お客様に説明する語り口のたしかさ。 森本さんの手の動きに、思わず見とれてしまうお客さんが、何人も集まっていました。  私たち工房の職人もそうですが、現役で仕事をしている方は少しも年を取りません。 森本さんの先輩工芸士たちのプロモーションビデオも流れていましたが、 皆さん高齢にも拘わらず、その姿は輝きに満ちていました。