松江、だんだん♪

展示会の片付けを終え、一泊した後、静岡へ戻る前に松江を訪れた。 松平不昧公の文化と小泉八雲の面影が色濃く残る城下町、松江。 松江流という独自の世界に、ずっと憧れていた。


まず、松江城の堀を小舟でめぐる堀川遊覧船に乗る。


「これから城の中へ入る橋をくぐります。   皆さん、頭を下げて下さい。    不昧公は世界で一番偉い殿様です。     ほら、どんな要人でも、ここでおじぎをさせてしまうのです。」 ユーモラスにガイドする船頭さん。


帆掛け船は橋桁の低い橋をくぐる時は、帆を下げる仕掛けになっている。 乗客はその度に、頭を下げて橋の下の通過に協力しなければならない。


堀の周りは季節毎に表情が変わる。 「松江城が雪景色となる冬が一番ですよ。」 こたつの入った船をあやつりながら船頭さんは言うが、 たぶん春になったら春が一番と言うのだろう。


下船して、割烹旅館「皆美館」で名物の鯛めし料理を食べる。 庭と古い日本家屋が有名だったが、一昨年建て替えたそうで、少々味気なくなった。




松江城から、小泉八雲記念館、武家屋敷のある塩見縄手を散策して、古い町並みを楽しむ。


そして、不昧公ゆかりの茶室「明々庵」に辿り着く。 藁葺き屋根の簡素な茶室を眺めながら、お茶を一服。 最後にここで、ゆっくり松江の茶の文化を味わう事が出来た。


自分で自分を楽しませる術を心得ている所から、文化は生まれる。 松江流はそういうものだと思う。


夕日の宍道湖を見落としたけれど、それは次回のお楽しみ。 松江の銘菓を携えて、帰路についた。 静岡まで戻って行くわたしに、おおらかな大山が見送ってくれた。