老 友
山陰から静岡へ戻る新幹線の中で見た、別になんでもない風景。
空席がほとんどの指定席の車両の中で、
3人の初老の男性が、ちょっと窮屈そうに横一列に並んで座っている。
私は二人掛席の左斜め後ろから、三人掛の座席の彼らを何げなく見ていた。
網棚にはリュックやカジュアルなコート。
ウォーキングシューズを履いてラフな格好だから、どこか街道歩きでもしてきたのだろう。
真ん中の人を中心に、背もたれの上に出ている頭が右、左と動く。
どれも一様に、まばらになった白髪が見える。
アルコールが入った様子もなく、大きな声で騒いでいるわけでもない。
ただ、時々笑い声が聞こえる。
それをずっと見ていて、何かとてもいい気分になった。
ああ、年を取って、3人ぐらいで、仲よく旅が出来たらいいなあ。
私は昔から、どちらかというと一人旅が好きなのだけれど、
もしかしたら、こうして友達と旅するのも悪くないなと、思えてきた。
これ、同じ方向に3人掛けで座っていたので、いいシーンに見えたのだろうし、
彼らが対面で話していたら、そんな気分にはならなかったと思う。
大好きだった、サイモンとガーファンクルの「Old friends(旧友)」が思い出されてしかたがなかった。
Old friends, old friends,
Sat on their parkbench like bookends
A newspaper blown through the grass
Falls on the round toes
Of the high shoes of the old friends
Old friends, winter companions, the old men
Lost in their overcoats, waiting for the sunset
The sounds of the city sifting through trees
Settles like dust on the shoulders of the old friends
Can you imagine us years from today,
Sharing a parkbench quietly
How terribly strange to be seventy
Old friends, memory brushes the same years,
Silently sharing the same fears
(画像はジャケットから拝借しました。)