東求堂というしつらい

京都、銀閣寺の東求堂に同仁斎という書斎があります。 書斎の北側に設けられた付書院と違棚は現存最古の座敷飾りで、 書院造や草庵茶室の源流と言われています。


現在の私たちの暮らしは洋間中心で、和室は数少なくなっています。 また、椅子に座ることが多くなっていますが、 靴を脱ぎ、床に座る生活は日本人の多くが好む慣れ親しんだものです。 その洋間の中に、東求堂同仁斎をベースにした書院の空間を設ける提案を試みました。


基本は85cm角の置き畳とそれを乗せる25cmの高さの台(浜床)。 浜床(台座)と置き畳を組み合わせて、 一畳分(2台)二畳分(4台)の和のしつらいが出来上がります。


あるいはL字型に畳床を置き、 畳を乗せない浜床をテーブルとして使うと、また別の和のリビング空間。 和室仕立てにもなり、ソファーの代わりにもなる融通無碍な家具が 「東求堂シリーズ」です。 私たちの暮らしの中に、寺院の書斎や方丈にみられる安らぎの空間を演出。 まさに、都会の住空間に蘇る、なつかしくて新しい「市中の山居」が生まれました。 四月の「吉蔵・春の室礼展」では、 こうした東求堂をイメージしたしつらえをご案内いたします。 指物吉蔵・春の室礼展」    会期  2009年4月10日(金)〜14日(火)   時間  午前10時〜午後5時    会場  しずぎんギャラリー四季  静岡市追手町1-13アゴラ静岡7F         電話 054-250-8778 (終了しました。)