朧月夜を歌う樋口一葉

おもふこと 少し洩らさむ友もがな うかれてみたき朧月夜に
「朧月夜に浮き立つように、恋心を少しだけ話せる友がほしい。」
二十四歳で没した樋口一葉が、死の前年に作った歌だそうです。
日経新聞の夕刊<耳を澄ましてあの歌この句>に解説がありました。
文筆家として家族を養う貧しい生活のなか、一葉に真の友人はいなかった。
世間にも、恋しい人にも肩肘を張ってきた一葉が、春のあまい月夜に、
ほんの少し酔わされた瞬間があったのだろう。
このコラムの担当者、歌人の佐伯裕子さんは述べています。
糸のように細い下弦の月も、だんだんに満ちてきました。
いつの間にか満開になったお堀の桜も、妖艶な姿で私たちをときめかせます。
天才にも凡人にも、貧しくても病んでいても、春はやさしく語りかけています。

「指物吉蔵・春の室礼展」ーしつらいの家具・もてなしの器ー 会期 2009年4月10日(金)〜14日(火) 時間 午前10時〜午後5時 会場 しずぎんギャラリー四季 静岡市追手町1-13アゴラ静岡7F 電話 054-250-8778 御来場お待ちしております。 (上の画像はいちろうさんの写真「おぼろ月」より借用しました。)