辻井伸行さんとバン・クライバーン

辻井伸行さんという若者のピアニストがメディアで大ブレークしています。

「盲目のピアニスト辻井さん優勝」

全盲ピアニスト、米で優勝」

4年に一度の、バン・クライバーン国際ビアノコンクールで、日本人として初めての快挙だそうですね。



そういえば、そういうピアノコンクールがあった、位にしかおぼえていない、「バン・クライバーン」。

半世紀前の冷戦時代、アメリカの長身の若者が、ロシアのチャイコフスキー国際コンクールで優勝。

ちょうど、私がクラシック音楽に興味を持ち始めた頃でしょうか。

彼の、チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番&ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番のLPが大人気。

その若さと、長い指から生まれる、瑞々しくスケールの大きい演奏のレコードを何度も聞きました。

当時のクライバーンは、アメリカで凱旋し、LPがポップスなみの売上を示し、国民的英雄でした。

しかしその後は低迷期が続き、一発や、審査委員ピアニストなどと揶揄され、表舞台から消えていきました。

国際コンクールで優勝し、一夜のうちに栄光を手にしたピアニストたち。

たとえば、ショパンコンクール優勝のポリーニは、その後10年間こもって練習し、表に出なかった。

何か、このクラバーンと辻井伸行さんがダブって見えてきます。 

今、辻井さんのCDは売れに売れ、演奏会も完売のようです。

「盲目」という冠が付いていることで、メディアはさらに大騒ぎになっています。

でも、ご両親はたいへん分別のある方のようで、栄光に奢ることなく彼を育てて行くことと思います。

彼も、ポリーニのように研鑽を積まれ、ご自分の道を歩まれることでしょう。

日曜日、「すみや」に行ったら、大々的に彼のコーナーが出来ていました。

辻井伸行さんのピアノ演奏会、10月に静岡県でも開かれるそうですね。

(画像は辻井さんのHPから借用しました。)