木工作家・藤井慎介氏のこと

いつもお世話になっている染織家の影山秀雄さんから、

静銀ギャラリーでの展示会のDMをいただいた。

「今回は木工の人と一緒にやります。」

と、初めて聞く木工作家「藤井慎介」氏の名前が載っていた。

その日は、好奇心が強いというか、欲張りというか、1日に2つのセミナーを掛け持ち。

しかも、その合間をぬって、影山・藤井両氏の展示会を見に行く計画。

まあ、私はせっかちだから、その位の芸当は、はしたなくもやってしまう。

そそくさと、時間を気にしながら、しずぎんギャラリーへ。

案内看板も見あたらなかったので、不安に思いながらも、7Fへ。



世の中、知らない事ってあるんですね・・・。当たり前のことだけれど。

こんなに素晴らしい家具を作る人が、静岡にいたなんて。

感動というか、ショックというか。

 藤井慎介氏

  第一印象は、華奢で物静かな青年(でもないか。40代だそうです。)

  静岡県生まれ。武蔵野美術大学卒。

  建築設計実務の後、松本技術専門学校で木工技術を取得。

  日本伝統工芸展、国展、朝日現代クラフト展など、入選多数。

  パリ国際サロン展、オーストリア宮廷芸術祭などに出展。

  静岡市での展示会は、初めてだそうです。

椅子、刳り物が得意だそうです。

たしかに、椅子、刳り物の造詣は、独特の世界を感じさせます。

しかし、箱物、棚物のデザインが素晴らしい。

さすがに建築設計に関係していたせいか、オブジェのような立体感覚。

さらに、素材を吟味した上でその表情を生かす、

塗り、仕上げの技術がアーティスティック。

ちょうど、懐石料理のように、棚、厨子、机、器など、

晴れの場で、それぞれに見事な美と味の花を咲かせています。



長年家具を見てきて、それほど驚かない私ですが、

こういう風に、新しい感覚の木工造詣物を見せられると、

「自分はもう、過去の人間だ。」と思わざるを得ない。

そんな、素晴らしい展示会が、密かに開催されていました。

静岡の木工関係者は是非、見に行くべきです。

もっとも、残念ながら、今日(28日)午後2時まで、ですけれど・・・。

   

     藤井慎介・影山秀雄 木工染色展

       会場 しずぎんギャラリー 四季

       会期 10月23日(金)〜28日(水)・最終日は2:00pmまで

(画像は、「藤井慎介・影山秀雄木工染織展」のDM、

「藤井慎介氏プロフィール」より借用しました。)