ウィーン・ア・ラ・カルト「街角編」

リング内のホテルに宿泊したおかげで、 私たちは、魅力的な旧市街を、あちこち探索できました。


オペラ座から始まるウィーンの銀座、ケルントナー通り。 シュテファン大聖堂前の広場を左折すると道幅が広くなる、グランベール通り。 さらに、突き当たりを左折すると、世界のブランド店がならぶコールマルクト通り。 旧市街の目抜き通りといえば、この3つの通りを言います。 有名な高級モード店、宝石店、洋菓子店などを眺めながら、多くの人が回遊していきます。 ケルンストナー通りに面したホテルの部屋からは、大勢の観光客が行き交う姿が見えます。 ただ、残念なことに、この通り、工事の真っ最中。 先日テレビ放映された、木村佳乃がリポーター役の「ウィーン大紀行」ではすっかりきれいになっていましたが。  




 「ロブマイヤー」ウィーンの名門。世界最高級のグラス製品がならんでいて、壮観です。  「スワロフスキー」日本でも有名な高級アクセサリー店ですが、ウィーンでは意外と普通の感じでした。  アウガルテン」ハプスブルグ家が育てた高級陶磁器店。小さな店ですが、ものすごくセンスが良い。  「ゲルストナー」皇室御用達洋菓子店。オペラ座、美術史美術館のビュッフェに出店し、オシャレで美味しい。 ケルントナー通りにはこれらの有名店がずらりと並んでいます。  「アルトマン&キューネ」可愛らしく、凝ったチェスト型ボックスが有名な、小さなチョコレート店。  「ユリウス・マインル」高級スーパーマーケット。クリムト絵の缶入りコーヒーが人気。 しかし、なんといっても広いグランベール通りのシンボルは「ペスト記念柱」です。




 「カフェ・デーメル」ウィーンを代表するコンディトライ。「ザッハー」とのトルテ戦争で有名。  「トーネット」しかし、曲げ木イスで世界制覇したメーカーの店は、「ルイヴィトン」になっていました。 銀座通りのように、グローバルブランドが占領したコールマルクト通り。 突き当たりに「ホーフブルグ」(王宮)が見えてホッとしますが、ウィーン情緒に乏しい通りです。 さらに、表通りから一歩奥へ入ると、世紀末ムード漂う町並みがここかしこに見られます。 嘗ての宮殿の回廊だった所にならぶ、骨董品店。 行き止まりは階段になって、メイン通りに抜けている。 裏通りを探索する時間があったら、さらにウィーン通になっていたでしょうね。




しかし、パリに行った時にも感じたこと。 どこにもある空港近くの風景と、違う時代へ来てしまったような旧市街のギャップ。 美しいヨーロッパの古都と、言うけれど、 旧い石の建物は、近くへ行くと頑固で薄汚れていて、あまり心地好くはない。 居丈高に立ち並んでいる歴史的建物は、立て直しが難しいためか駐車部分もなく、 多くの車が、道路の左右に駐まっている。 ベンツもBMWも埃まみれに並んでいて、地元では高級車のイメージは感じられない。 それにしても、日本の木の家は、なんと優しく和やかなことか。 為政者にもっとデザインセンスがあり、市民にもっと自国の文化を大切にする心があれば、 日本の都市は、世界一の、美意識を持った町並みになったでしょうに。