「ハーバード白熱教室」最終回を見た。

うわさには聞いていたけれど、なかなか見る機会がなかった評判の教育番組。

NHK教育テレビハーバード白熱教室」は、最終回のみじっくり見ることが出来ました。



創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、

履修学生の数が最高記録を更新した授業がある。

政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」である。

大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える学生がぎっしり埋まる。

あまりの人気ぶりにハーバード大学では、

授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。

ハーバード大学の授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことである。

NHK番組概要より)

第12回(最終回)のテーマは「善き生を追求する 」。

この授業は初回から、「正義」と「善」との間に横たわる問題を取り上げてきているが、

今回は、国が「同性結婚」について認めるかいなか、について講義を始める。

サンデル教授は、同性結婚についてマサチューセッツ州の裁判所が下した判決を紹介し、

道徳的な問題に中立の立場をとりながら、

同性結婚を支持、あるいは否定することはできないと主張する。

さらに、まとめとしての「正義へのアプローチ」では、

正義と権利の議論において、善について論じることは避けられないことを強調する。

「善とは何か」、「正義とは何か」。

歴史上多くの偉大な思想家たちが探求してもなお、永遠に解決できない問いに、

なぜ私たちは取り組まなければならないのか。

その理由は、私たちは日々これらの質問に対する答えを生きているからだ。

私達の公共的な生活、私的な生活の中で、ときには答えなどないと思えても、

哲学は、避けることができないものだ。

懐疑主義は人間の理性の休息所である。 しかし永久にとどまる場所ではない」(カント)

以上、ほとんどの文章を、サンデル教授の言葉から引用しています。

素晴らしい講義だったので、2回見てしまいましたが、

哲学的な考え方をしてきていない我が頭には、難解な部分が多く、

なかなか論理が結びつきません。

でも、刺激的なことこの上なし。

頭の中に、新しい細胞が芽生えてくるような気がしました。

情報の洪水の中で、自分で考える力が衰えている現代。

論理を組み立てていく頭脳力を、鍛える必要がありそうですね。

そして、そういうものの考え方が、その人の人生を豊かにし、

かけがえのないものにしていくことも、事実のような気がします。

4月から始まったこの番組、たいへん好評でアンコールが殺到し、再放送もありました。

今回で終了しましたが、再々放送も検討されているそうです。