たがやさん(鉄刀木)はお嫁に/サイドボード後記(2)

今年のKAGUメッセで、栄誉に輝いた鉄刀木サイドボード。

今回の朗報が功を奏してか、3年を経て嫁いでいきました。

3年前、2007年のKAGUメッセ。

O氏とのコラボレーションによる、黒檀コンソール、島桑キャビネットなど、

指物モダーンの試みに続いて、鉄刀木サイドボードは生まれました。



日本橋三越のバイヤーの目に留まり、夏のデパート展示会にデビュー。

「吉蔵」の売り場から離れた、特別ステージに置かれて、一段と輝いていました。

結局、サイズ変更のオーダー対応の注文を頂き、現品は我が社へ。

続いて、名古屋松坂屋が、サイドボードを捜しているお客様に提案。

対抗馬があったそうですが、我が鉄刀木の方に決定。

こちらも、細かい部分の変更を含めたオーダー品を製作し、

最初の製品は、我がショールームに戻ってきました。

吉蔵の製品のなかでも目を惹くのか、来社いただいた奥様方の評判は上々で、

何人かの方から、将来購入希望のお話もいただきました。

そして、2010年のKAGUメッセ。

賞のお墨付きを頂いて、一段と色香の増したサイドボードは、

再度、日本橋三越関係者の目に留まり、輿入れの話が進んでいきました。

嫁入り先は、以前「吉蔵」の厨子をお求めいただいたお客様。

厨子を置く台を考えていらっしゃったようです。



お届けに伺って、意外だったのは、設置場所が和室であったこと。

それでも、指物育ちのサイドボードは、それこそ凜とした着物姿のごとき佇まいで、

その場にすっかりとけ込んでいきました。

我がショールームから居なくなった鉄刀木サイドボード。

私を含めファンが多く、我が社に福をもたらした家具。

新たに二世を製作しようか、検討中です。