10月の朝に。

まだ、暗闇のなごりが残っている、あさ5時50分。

目を覚ましてトイレに行き、顔を洗って着替える。

祖母が、娘を起こす。「○○ちゃん、6時ですよ。」

私は台所に向かって、フルーツジュースとピッザを作りはじめる。

リンゴ・グレープフルーツ・バナナ、そして牛乳・ハチミツ・ヨーグルト。

皮をむき、細かくしてミキサーでシェイクし、次はピッザの用意。

妻に教わったレシピで、淡々と朝食の準備を進めていく。



祖母が湯を沸かし、ていねいに急須に煎茶を入れる。

「なんておいしいお茶なんだろう!」

この瞬間、静岡に生まれた幸せを、いつも思う。

6時50分。工事現場の作業着に着替えた娘を送り出す。

三越の展示会に行き、不在の妻に代わって、

「いってらっしゃい。気を付けて。」

10月の週末の朝。

今日は午前中、先週見えたお客様が再び来社の予定。

祖母は敬老のつどいに行くから、お茶と菓子の準備は私が。

「お母さんは営業に行って、お父さんは主夫になるといいよ。」

娘の言葉も、まんざらでもない。

還暦も過ぎたので、そろそろ主婦(夫)業を学ばなくては・・・。