
もう数年ほど前になります。 海外展示会に出展のチャンスに恵まれ、パリまで行ったことがあります。 その際、思い切って吉蔵HPに、Englishバージョンを設けました。 しばらくして、エアメールが届きました。 差出人は、イギリスのデザイン系大学の教授の方からです。 弊社の英語HPを見たようで、その中にある「島桑壁面厨子」の写真をコピーしてあり、 厨子をはじめ、島桑製品の資料を送って欲しいとのことでした。

そして、教授との手紙のやりとりの後、実際に「島桑壁面厨子」をお買上いただきました。 (このあたりの詳細は、kittsan流ブログ「島桑マニアのイギリス人」を御覧下さい。) その後も、「吉蔵」の島桑製品を気に入って下さり、継続してご注文頂いている、 弊社にとって、大切なお客様になっているのですが、 それにはこんなきっかけがありました。 商品を送るとき、国内なら段ボールケースに入れ送付するのが普通です。 しかし、慣れない海外輸送のこと、さらに厨子という特性を思い、 桐箱に入れてイギリスに送りました。 その後、商品を受け取った教授から 「こんな丁寧なパッケージは見たことがない。Wonderful !!」 という内容の手紙がありました。 中身の島桑厨子もさることながら、 同じ指物職人による桐のケースに、いたく感動して下さったのでしょうか。 こちらとしては、高価な厨子だから破損しては元も子もないと思い、 基本的に、厳重な梱包を心掛けたつもりだったのですが、 こうした気配りの中に、日本人特有の「丁寧なもの作り」を感じ取っていただいたようです。 そしてもちろん、今ではプレゼントの交換もさせて頂く、親しいお客様です。 さて、このお話し。 「1万円のおろし金を売るストーリー、売るための物語という手段」 というサイトの意味するものと、同じものなのかわかりませんが、 そのサイトを参考にした、少々自慢ばなしにも聞こえる、「吉蔵」の物語でありました。