浜松映画人の心意気に感動する。

「スプリングフィーバー」という映画をご存じですか。   春の嵐”(スプリング・フィーバー)により掻き乱された一夜を彷徨うかのような、  男女五人の、複雑に絡み合う想いと衝動。  中国で映画製作を禁じられたロウ・イエが描く最も純粋なラブストーリー。


この映画がスキャンダラスな扱いになっているのは、 中国ではありえないと言われている、同性愛が描かれているからです。 (今だにこういうテーマに、特別な反応を示す人が多いのには、まじシラける。) キネマ旬報 2010年度ベストテン第9位。 「息も出来ない」や「ヘブンズストーリー」と並ぶ秀作との評判で、ぜひ見てみたい。 と思っていたのですが、興業成績は最悪、悲惨な数字だったようです。 当然ながら、静岡県では何処の映画館にも公開予定が見られない。 静岡市の某ミニシアターに聞いても、上映予定なし。 2010年ベストテンの内、静岡未公開の映画は「スプリングフィーバー」のみです。 そこで、フッと思いついたのが、浜松にある異色のミニシアター「シネマイーラ」。 県内で、もっとも興行成績に左右されず、隠れた名作を上映し続けている映画館です。


HPにリクエストの欄があるので、軽い気持で「スプリングフィーバー」をリクエスト。 なんと、すぐに支配人なる方から返事がありました。 「私もこの映画の事、気になっていたのですが、全国の興行成績が悲惨な状況です。 上映できるかどうか未定ですが、検討したいと思います。少し時間を下さい。」 県内の映画館に、見たい映画のリクエストを何度もした事のある私ですが、 こんなに迅速で、丁寧なレスを戴いたのは初めてで、びっくりしました。 その間も、「スプリングフィーバー」のHPを時々覗きました。 大阪の映画館で、あまりの観客の少なさに、上映回数を減らすなど、 配給元と興業主の間で、もめ事もあったようです。 その後、シネマイーラでの公開が決まりそうになったのですが、再度未定に。 「どうぞ、ご無理をなさらないでください。  見たければ、上映している地方の映画館まで行けばすむことですので。」 と、私は支配人に自分のわがままを詫びた。 そして、再び支配人からメールが。 「上映決定しました。4月30日から5月6日まで、一週間です。  僕は中華圏の映画が好きなので、アジア映画はかなりリクエストに答えています。  ブログなどで盛り上げて下さい。」 こうして、一個人の希望から、忘れ去られようとした映画の上映が実現した。 考えてみると、凄いことです。 あなた好みの家具を作ります。 特注ですから、価格は○○増しになります。 という、私の商売とは全然違う。 大ヒットでも、通常の1800円の入場料。 こけても、おなじ1800円。 何か、あまりに身勝手で申し訳ないような。 この映画館、浜松市民映画館の愛称があるそうです。 なんと、「自然から元気」という≪シネマイーラ≫の公式応援ブログもあります。 浜松映画人の「やらまいか精神」がみなぎる、希有な映画館です。 私も公開日まで、ブログでツィッターでこの映画を宣伝させていただきます。 中国映画「スプリングフィーバー」監督ロウ・イエ  上映期間  4月30日(土)〜5月6日(金)  上映映画館 浜松シネマイーラ