飛雲閣・白書院・長谷川等伯障壁画/五月京都の国宝探訪

風薫る五月。快晴、爽風。 家具道具室内史学会総会に参加のため、京都へ。 総会会場の京都女子大へ向かう会員の妻と別れ、私は、西本願寺へ歩いていく。






親鸞750回忌で賑わう境内の一部にある国宝建築、書院・唐門・そして飛雲閣。 絢爛豪華な唐門、白書院、最古の北能舞台桃山文化の集大成に圧倒される。 池の中に浮かぶ飛雲閣の、左右非対称の絶妙なバランスと、新緑の静謐な空間。


京都女子大へ向かう途中、智積院へ。 長谷川等伯と門下生の障壁画、国宝「桜図」「楓図」「松に秋草図」。 写実と創作が混在し、ダイナミックに大自然を描き出した桃山絵画の数々。 利休好みの庭といわれる名勝庭園を回遊する。 書院では庭を背景に、舞子さんが写真のモデルになって撮影中。


今回の目的、家具道具室内史学会主催のセミナーへ、 京都女子大で教鞭を執っていた小泉和子女史や、 さまざまな分野の研究者の発表とシンポジューム。 今回のテーマは、「宴会」。 晴れの場「宴会」があってこその、日本住宅。 遺跡から見ると、かわらけ(器)や箸、折敷など、すべて使い捨て状態。 「もったいない」感覚のリサイクルにではなく、新しい物で、こそ神聖なもてなしの真髄。




夜は清水寺近くの文化財五龍閣」内順正で、湯豆腐料理による懇親会に参加。 清水焼の窯元松風家の元私邸で、京都大学建築科の創始者武田五一の設計によるもの。 学会のおかげで、立ち入り禁止の望楼へ登る事が出来て、京のたそがれ、夕日をキャッチ。


家具、建築関係の大御所、お歴々と名刺交換という滅多にないチャンス。 歓談、議論し、明日の建築探訪のお土産に、駅前のホテルに戻ってきた。 いやはや、めまぐるしくも充実した、五月晴れ京都の1日目でした。