高濃度放射性廃棄物処理の困難/映画「10万年後の安全」

原発に反対か賛成か、の問題ではない。 そこから生まれる廃棄物の処理で、地球の未来はどうなっていくのか。 世界各地に暫定的に集積されている、高濃度放射性廃棄物。 その数、20〜30万トン。 自然災害、人災、戦争など、社会変化があればたちまち猛威をふるう。 「ガラス固化体」された高濃度廃棄物に触れると数十秒で死亡するという。


ドキュメンタリー映画「100000年の安全」は、 フィンランドで地下500メートルに建設されている、 放射性廃棄物の処理場「アンカロ」ていう施設の紹介と 施設関係者や科学者のインタビューからなっている。 自国の高レベル放射性廃棄物を地下に埋め、一定量になると封鎖。 安全とされる10万年後まで、人知れず地下に眠らせる。 氷河期が来て、生き残った生物があれば、その墓を見つけるかも知れない。 いや、もっと前に、誰かがふたを開けて中に入っていったら・・・。


未来のみなさんへ ここは21世紀に処分された、放射能廃棄物の埋蔵場所です。 決して入らないで下さい。 あなたを守るため、地中奥深く埋めました。 放射性物質は大変危険です。 透明で、においもありません。 絶対に触れないで下さい。 地上に戻って、我々より良い世界を作ってほしい。 幸運を。 映画が終わって、京大の専門家による放射能汚染の解説があった。  ・実際には、公表されている放射能濃度の10倍の濃度を測定している。  ・福島県は、子供は一時疎開の必要があるほどの高濃度。  ・関東地方もかなり深刻な状況にある。  ・静岡県も海からの流れで、放射能汚染は広がっている。 誰の、どの報告を信頼するかは、結局は個人の問題。 が、国・企業・マスメディアの発表が刻々変化し、むしろ悪い状況になって来ている昨今。 こまめに目を見開き鼻でかぎ分け、自分の経験の中から信頼できる情報を求めていく。 ミーハーな私は、そう心掛ける習慣が身についたのだろうか? 映画「100000年の安全」は、7月9日から29日まで、 静岡シネギャラリーで公開されます。