相逢不相識 共語不知名

妻が、娘の誕生日のために買った本を、私が読む。 禅語 【石井ゆかり・文 井上博道・写真】 「禅語」とは、茶室の掛け軸に書かれるような、仏教の名句や中国の詩句の総称、とある。 人気占い師「石井ゆかり」さんが解説し、写真家「井上博道」さんが美しい風景を載せた。 その最初のページにある言葉。


相逢不相識 共語不知名
<相逢って相知らず 共に語りて名を知らず>
・・・・・ 「僕の友達で、クリームソーダさくらんぼが浮いたり沈んだりするのを見て、  『ここに人生がある』って切々と語るやつがいるんだけれど、   僕はそいつがすごく好きなんだ。」 彼は聡明かつ博識で、哲学的で、卓抜なユーモアのセンスに恵まれ、 人間への関心と博愛にあふれた人だった。 ・・・・・ この彼の何げない言葉を私が忘れないのは、彼の人への対する態度が、 ここにありありと現れているからだ。 彼は、相手がどうでもいいようなことの中に何を発見する人間なのか、 そこにしかおもしろみを感じないのだ。 ・・・・・ お互いのことを何も知らず、名前も知らないまま話し込む。 公園で、列車の中で、居酒屋で。 そこで語られることには、損得や利害関係、立場性などは一切切り込まない。 では、何のために語るのか。 何のためでもない対話。 これほど心弾む対話はない・・・と私も思う。(石井ゆかり


facebookのなかで、どうでもいい日常を、おもしろく語り合う。 unnoteさんアメリカ旅行中)のように、旅先で偶然出会い、 知らない人と会話を交わしあう。 私も、被災地に行く旅の中で、どんな人たちと出会い、対話をするだろう。