
まず目指したのは、静活会館屋上にある、円形のドーム。 地上から見える姿はサビがひどく、普段は使用されていない。 プラネタリウムとして使用されていて、よく見に行ったものです。

中に入ると、静岡の映画の歴史を物語る、写真や看板画が所狭しと飾ってあった。 メッセージボードに書き込む。

屋上の金網を通して見える、オリオン座の大壁画「グランドジャット島の日曜日の午後」 数億円の制作費、165万個の多治見製タイルで完成した、当時の文化人の見識の高さ!

私が子供だった頃何度も見上げた、斬新なここの風景を今でも覚えている。 スーラの点描画の手法をそのまま生かした、世界に誇る静岡の文化遺産です。 夕方、元静活営業本部長「斉藤隆」氏による、静岡の映画の歴史の話を聞いた。

メディアが、文字から画像へと大きく変貌を遂げていく、1世紀前の1919年。 江崎新聞一族が、静岡で静活の基となる映画会社を設立。 以降、オリオン座が出来、名画座、有楽座、アートシアターミラノなどなど、 懐かしい映画館の話が、次から次へと繰り広げられていきました。 私が映画に目覚めたのは、高校生の頃。 解りもせず、レネやマル、トリュフォー、ゴダールなどヌーベルバーグ映画をチェック。 当時あった映画新聞「銀幕週報」に投稿して、映画のチケットを頂いたことも度々。 映画は、本とともに、私の青春の大きな面積を占めていたものです。

あれから数十年。今でも、映画は私の心の友。 評判の高い映画が紹介されると、ワクワクして映画館に向かう。 七間町から鷹匠町へ映画館は移っても、生涯映画を追い続けて行くつもりです。

10月2日に営業を閉じる、七間町静活映画館。 でも、その文化遺産的価値のある建物は、有効に保存して欲しい。 一部は静岡市が購入し、今回参加したメンバーなどが、その利用を考えていくそうです。