亥の月、亥の日、亥の刻・・・「亥の子餅」

今日、2012年11月22日は、亥の月、亥の日。 宮中の年中行事のひとつに「猪子祝(いのこいわい)」がありました。 「猪子祝い」は、旧暦十月の初亥の日の祝いの行事で、玄猪(げんちょ)とも呼ばれます。 中国伝来の風習で、平安時代の宮廷に取り入れられました。 旧暦十月初亥の日の亥の刻<午後9時~午後11時>)に餅を食べると 万病を除くといわれ、この餅を「亥の子餅」といい、 猪の子供を模したかわいい和菓子です。


11月初旬京都に行った折、御所の近くの神社に入り、休憩を取りました。 遠方から来た者にとって、それほど名前が知られていない護王神社。 そこはイノシシの石像があり、猪にゆかりのある神社だそうです。 この神社に祀られている和気清麻呂が、都より宇佐へ向かう途中、 災難に見舞われた際、三百頭もの猪が現れ、公をお守りしたという謂われがあるとか。 そして11月に亥の子祭が行われ、「亥の子餅」を御所へ献上するそうです。 神社の片隅にある喫茶でコーヒーだけ頼んだら、 いっしょにそこの名物の「亥の子餅」が出てきました。 猪(いのしし)は多産であることから子孫繁栄を願う意味もこめられており、 七種の粉<大豆・小豆・大角豆(ささげ)・胡麻・栗・柿・糖(あめ)> を混ぜて猪の子形に作られたそうです。 静岡にいては、いにしえの風習にに気付くことは無いでしょう。 知らずにふと入ったところで、思いがけないいただきもの。 さすが古都京都、奥深い文化遺産が何げないところに残っていました。