扇を高く、緩急付けて・・・/謡い仕舞おさらい会

能の謡い、仕舞を始めて1年半。

日本の古典芸能は凄い、奥が深い・・・と

自分が学び、演じてみて始めて理解しつつある。

先日(11/16)私は、二回目の葵能楽研究会の発表会に参加しました。

何十年も「岡諷会」のメンバーとして謡を楽しんでいる諸先輩に加え、

昨年発足した「葵能楽研究会」の10名ほどの新人。

そうぜい20名余が当日、辰金支店の二階の大広間で諸芸を披露しました。

私の役割は、謡いの方では、能「竹生島」のワキ。

最初の演目がこの「竹生島」で、ワキはその第一声を放つ。


竹に生まるるウグイスの

竹に生まるるウグイスの

竹生島詣で急がん・・・・

これを、文字通りでなく

たけにんまるるうぐういすの

たけにいんまるるうぐうういすの・・・

と謡います。

琵琶湖にある神の島と言われる竹生島天皇の臣下が参詣し、

そこで弁財天や龍神と出会って祝福を受ける話。

さっそうと、力強く、臣下の役を演じました。

続いて、今回初めての仕舞の部。

「熊野」「猩々」「鶴亀」「紅葉狩」「羽衣」と舞いを経験し、

本来ならば華やかな「羽衣」を舞うべく練習したのだが、

分相応の「鶴亀」のキリ(最後)の舞に落ち着く。


皇帝が「国土豊かに千代萬代(ちよよろずよ)に・・・」

と謡いに合わせて、荘厳なめでたい舞を舞う部分。

扇を高く上げて、たっぷりした動作を。

ゆっくりした舞だから、緩急付けて間延びしないように。

先生の指導の元、何とか演じきることが出来ました。

他の面々も、おけいこでは自信なさげだった舞が、

本番では見違えるほど立派に様変わりしていたのは、

経験の成せる技でしょうか。

ますますのめり込んでいく能の世界。

源氏物語を謡う「野々宮」や

平家物語の修羅の舞い「屋島」のおけいこが

楽しみになってきました。