印伝に魅せられて、アリアディフィレンツェへ

先日のイギリス旅行の折、

山梨の伝統工芸「印伝」の小銭入れを羽田の免税店で購入し、

イギリスの教授へのお土産にしたら、大変喜ばれました。

その「印傳屋さん」の山梨の本社へ、静岡県ユニバーサルデザイン

会員の皆さんと見学に出掛けました。

アリアディフィレンツェ

印傳屋さんは「アリアディフィレンツェ」(フィレンツェの香り)

という何ともオシャレな名前の工業団地の中にあります。

この工業団地、建築家「北川原温」氏による斬新な工場の建物群が、

豊かな緑の中に調和し、ファッショナブルな街が形作られていて、

来訪者を楽しませてくれます。

印伝の名前の由来は異国情緒漂う「印度伝来」という言葉から来ているとか。

その印傳屋さんは江戸時代から400年以上続く、革の加工屋さん。

鹿革に漆を型紙に通して刷り込み、様々な文様を加工する。

昔は鎧や兜に使われ、次第に革羽織、煙草入れ、巾着などから、

現代のハンドバック、財布、ポーチなど、装身具として

愛用されているそうです。


ガラス張りの作業工房を見せて頂きました。

漆の型押し工程と鹿革を煙であぶり出して模様を付ける

燻べ作業を、案内係りの方から丁寧な説明を聞きました。

完成までに2、3ヶ月から半年まで掛かる、全て手作業の世界。

人肌に近い鹿革独特の風合いに魅せられて、

印伝に虜になったリピーターは、独自の絵柄や技法を求めて、

その後オーダー品を注文するケースが多々あるそうです。

印伝の商品が並ぶショウルームで、

印伝の小銭入れを購入しようとしましたが、

ここでの販売はなく、製品番号を明記して下さり、

静岡の場合は「池田屋さん」でお求めくださいとのことでした。


(父の持っていた印伝のきんちゃく)

貴重な伝統工芸を今の時代にどう生かしていくか。

人々にその魅力を解って頂く為に、商品をどう紹介していくか。

案内嬢のどんな質問にも答える、簡潔で的確な解説の素晴らしさ。

アリアディフィレンツェにある「印傳屋さん」の本社は

そのヒントを幾つも教えてくれました。