タイトルがカッコいい/日本映画「彼女の人生は間違いじゃない」&「夜空は最高密度の青色だ」
最近、タイトルに惹かれて観た、若者を描いた日本映画2本。
「彼女の人生は間違いじゃない」 廣木隆一監督
「夜空は最高密度の青色だ」 石井裕也監督
ともに最近の日本映画の傑作だと思う。
日本映画 「彼女の人生は間違いじゃない」
まず 、タイトルがいい。
主役の女優さん(瀧内久美)が自然体で、もの凄くいい。
東日本大震災から5年。
普段は市役所で働き、週末は高速バスで上京し、風俗嬢として働く。
被災地福島と東京を行き来する女性の日常とその思いを描いた力作。
津波で家が流されても、家族が亡くなっても、
昨日の次に今日があり今日の次には明日が来る。
「この世界の片隅に」のすずさんの描き方より現代的に思えるのは 、
自分の生き方に死ぬ程葛藤している人間がそこにいるから。
だから、「彼女の人生は間違いじゃない 」と納得。
(静岡シネギャラリーで鑑賞。)
日本映画「夜空は最高密度の青色だ」
いや〜、おもしろい映画だった。
何よりも、主人公たちがみせる次の行動に
どんな事を言うのだろう?
どんな表情を見せるのだろう?
どんな行動に移るのだろう?
と言うことが予想がつかないどころか、
その事がもの凄く新鮮に感じた映画だった。
そう感じたのは、出処が
「夜空は最高密度の空色だ」と言う詩集だった事や、
石橋静香、池松壮亮の演技を感じさせない
生の若者そのものの姿によるのだろう。
イラつき疲れて煙草ばかり吸っている二人。
汗と埃と泥にまみれた工事現場の日雇い労働の男達。
酒と騒音とケバいヒカリに晒されたガールズバーのおんなたち。
私達の常識的な情報に包まれた今の時代を、
東京と言う寝れない都会の表面をすぱっと切って
中身を晒して見せてくれた映画。
(東京出張中、キネカ大森にて鑑賞)