オセローの思い出
シェイクスピア原作のオセロをSPACが公演した
宮城聡演出「オセロー」を観劇して、
思い出したこと・・・。
その1
20代のころ、中央公論社から世界の文学という
ハードカバーの豪華本シリーズをいくつか購入した。
その第一巻がシェークスピアだった。
「ハムレット」や「夏の世の夢」と共に
「オセロ」が収録されてあり、読んだ記憶がある。
老眼鏡でも目が疲れそうな小さな字で、
再読する気にはならないが・・・。
その2
10代の学生の頃から映画好きだった私は、
ローレンス・オリビエが主演した映画「オセロ」も観た。
「静岡映画物語」の資料によると、1966年9月、
今はない七間町の「ミラノ」で公開された。
ナショナル・シアターの舞台をもとに映画化した作品で、
あくまでもオリビエのオセロが圧倒的なドラマだったと思う。
その3
圧巻の「オセロ」体験は30代の時。
NHKホールで観たベルディ作曲の「オテロ」。
1989年にミラノ・スカラ座が初来日して、大枚はたいて東京まで行った。
オテロは黄金期のテノールプラチド・ドミンゴ。
指揮はあのカリスマ指揮者、カルロス・クライバー。
バーンと爆発音のようなフォルテッシモで始まる最強のイタリアオペラ。
勇者オテロが次第に自分のコンプレックスと嫉妬でタガが外れて
破滅へと向かっていく次第が、輝くばかりの音の競演で表されている。