至福のとき、関野晃平展を観る。
幻の漆芸家「関野晃平」氏の作品展が
静岡県島田市で7月7日まで開催されている。
知る人は僅か、(入場者は少ないそうだ)
けれども、氏の珠玉の作品を知っている人なら
遠く神奈川県からまでも来ていた。
これだけの完成度の高い作品を作りながら名前は残さない。
作品を見て貰えばわかるという自負もあるだろうけれど、
そのかわり大勢の人に顔も名前も知られる事もない。
もちろん氏は有名になる事を望んでいない。
偶然氏の作品を見て、その完成度に感動した
白洲正子さんの様な感性の高い人が
黒田辰秋の陰に隠れていた氏を世に知らしめた。
(黒田辰秋の工房で弟子として12年仕事をした)
すり漆の作品
素材と漆とカタチのバランスが見事。
端正で力強い箱や器。
螺鈿の作品
貝がこの位置に置かれる事を望んでいる様に
整然と光沢を放って収められている。
沃地の作品
斬新なモノトーンの作品で、光に透けると
乾漆粉の粒子が浮かんで見える。
今回は特別に,試し塗りの漆や
氏の使用したカンナ、刷毛、紛筒などの道具も展示されている。
初日にお会いした氏の奥様は
もうこれが最後の展示会かもと仰っていたけれど、
知人のデザイナーは国立近代美術館工芸館などで
多くの人に見て貰うべきだ、と言っていた。
ひっそりと、静かに作品と語り合う、
至福の時間をたっぷり味わえる
稀有の展示会です。
「漆工芸家関野晃平と伊久美の空」
会期 6月1日(土)~7月7日(日)
会場 島田市博物館
入場料 300円
関野晃平氏展示会の動画
https://www.youtube.com/watch?v=_yBy94C3lmM
https://www.youtube.com/watch?v=22_QT0J8R_o
https://www.youtube.com/watch?v=vcHwjwsmpwM