俳優の存在/映画「休暇」

こういう淡々と静かに進む映画を見ると、俳優の力がいかに大きいかをつくづく感じました。



シングルマザーの美香と見合いし、交際を始めた中年刑務官平井。

子供はなかなかなつかないが、それでも2人は結婚する方向に進み、式も間近になる。

一方、独房で絵を書いて毎日を暮らしている、物静かな模範死刑囚金田。

3年ぶりの死刑執行が彼の元に下る。

執行が結婚式の前に行われるので、仲間は平井の事を気にかけるが、

平井は新婚旅行の為の休暇を得るため、金田の執行後の身体の支え役を申し出る。

死刑囚と刑務官、そして彼のフィアンセを軸に、死刑執行命令から処刑、

見合い、結婚式から新婚旅行と時間が前後交錯して描かれていく。

あまりにも重いテーマで、映画の感想とか批評を述べる気持ちにはとてもなりません。

ただ、小林薫(刑務官)、西島秀俊(死刑囚)、大塚寧々(フィアンセ)をはじめ、

出演している俳優の存在が、この映画の生命力と感動を私たちに与えてくれる

一番の原動力になっていると思いました。

刑務官たちや死刑囚それぞれの、心の模様を丹念に描く一方、

その過酷な仕事を支えてくれる家族の未来を展望させる作品です。

(画像はパンフレットより借用しました。)