映画「ドンパス」「アンデスふたりぼっち」「裸足で鳴らしてみろ」は静岡未公開。

日本で公開される最近の新作映画に興味が湧かない。

ネットや図書館で借りれば昔の名作がいつでも観られる時代。1200円(シニア料金)も払うので、私は絞りに絞って選んでいるのだがハズレが多かった。文芸作品を装ったエロ映画「帰らない日曜日」は最低だったし、「ベイビーブローカー」も並の映画だし、「メモリア」も面白みに欠ける。

良かったのはアニメ「犬王」とミュージカル映画「アネット」それに倍賞千恵子の演技が光る「PLAN75」くらいか。 娘が「超面白かった!」と言った「トップガン マーベリック」はどうなんだろう?

上映予定作品を見ても食指が湧く映画が少なくてつまらない。「ドンパス」「アンデスふたりぼっち」「裸足で鳴らしてみろ」などをリクエストしたが静岡での上映の予定なし。新作が少ないのか著名監督の昔の映画を特集してごまかしているミニシアター。

私が愛読している映画愛好者のブログ「人生も映画も続く」でも同じ事が書いてあった。

 




 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

私と統一教会、ちょっとだけの関わり

もう50年近く前遠い昔のことですが、私と統一教会の関わり(ちょっとですが)について思い出しました。

1972年大学を卒業し、もう2年英語専門学校へ通っていた頃です。その頃は70年安保は下火になりましたが、いわゆる連合赤軍がテロ化し、浅間山荘事件から仲間同士のリンチ殺人事件が起き、世の中が騒然となっていました。そんな不安な毎日の中で、私の同級生のある女性が私に声を掛けてきました。

「あなたは迷いのない素晴らしい人生を送ることが出来る。」私は将来の展望もなく、もうすぐモラトリアム期が終わってしまう事に虚しさを感じていた頃でした。真面目で大人しい女性でしたが、確信を持って語る話にだんだん興味を持つようになりました。「私の話だけでは納得出来ないなら一度合宿に行ってみたら。」私の悩みや疑問をとても真剣に聞いてくれていたので、その言葉を信じて徐々に合宿に参加する気持ちになりました。

詳細は忘れましたが参加費はとても高額で、東京近郊のとある所の質素な会場でした。数十人の若者たちが集まり、二泊三日で学習会が行われました。ほとんど休憩もなく統一原理を学びます。アダムはエバは、キリストは・・・。キリスト教の教理を独特の解釈で説明するのですが、信仰心のない私は難しくて理解できません。学習が終わって食事時になっても皆でディスカッションを交わし合います。もちろん風呂はありません。

そんな日が2日続き、最後の日の夜、凄いことが起きました。今までの抑圧的な雰囲気が嘘のように、無礼講の大宴会が始まったのです。びっくりするような贅沢な食べ物、チマチョゴリを着た女性が舞を舞い、どんちゃん騒ぎとなったのです。皆は楽しそうにしているのですが、呆気にとられた私はとにかくここを出たいの一心で、早くお終いになる事ばかり願いました。

それから数日後、合宿参加を勧めた女性は「どうだった?」と聞いてきました。「難しすぎてわからない。」と言うと、「それならさらに一週間の合宿があるからそれに参加すればきっと理解出来る。」とワンステップ上の学習会を勧めました。

二泊三日の合宿で違和感を感じた私は返事を渋っていた所、彼女の親しい友達から「杉山さん、合宿に行ったんだって?」と聞かれ、「あれは統一教会というキリスト教を模した新興宗教だから近寄らない方がいいよ。」と忠告を受けました。

私もハッと気がつき、静岡へ戻らなければならない事もあってこの件はそれで終わりになったのです。

フランス映画「恋人たち」ルイ・マル監督のDVDを観る

最近観たい映画が見当たらないのでビデオで昔の映画を見る。
フランス映画「恋人たち」ルイ・マル監督
 

世間知らずのブルジョアジーの若奥様(ジャンヌ・モロー)が主人公。
女友達やボーイフレンドと好き勝手に遊び呆ける毎日を過ごしていたある日、
クルマの故障で世話になった通りすがりの若者を家に招き入れる。
夫婦で接待した夜、彼女はひとり月明かりの庭に出る。
そこには若者が寝そべっていた。
夜のとばりが降りる頃、2人は近づき抱擁を始める。
それは経験した事のない満たされた愛だった。
そして翌日、若者と共に夫と家を捨て旅立つのだが、
彼女はあの夜の情事の喜びははもうない事も、
これから不安な人生が待ち構えている事も知っていた。
 
ルイ・マル監督の恋人だったジャンヌ・モローの魅惑的なこと。
ブラームスの「弦楽六重奏曲第1番」の旋律が鳴り響く、
官能的なラブシーンの場面にうっとりしてしまう。
 
1958年にここまで性愛がきっかけの人生の転機を描いた映画はないのでは。
ヌーベルバーグはこうして世界の映画ファンを魅了していった。

歌人、小佐野弾氏の自伝的小説「僕は失くした恋しか歌えない」 読了

歌人、小佐野弾氏の自伝的小説「僕は失くした恋しか歌えない」
読了。
 


大伯父を国際興業グループの小佐野賢治氏にもつハイパーセレブ系の最高級の親ガチャ。
子供の時からボディガードが見守っていたという皇族並みの生活。
小説は主人公が母と兄が持つ会社の株と経営権を奪われて、
それがきっかけで台湾に移住し起業するまでを描いている。
 
子供の頃から悩んだ性のこと、離婚した父に代わって起業家として生きる母との葛藤のこと。
性と母(小佐野家)との間でメチャクチャになっていた青春時代のこと。
物語の間にその時の気持ちを表した短歌を挟み、ナイーブな文章で一気に読ませる。
今様「伊勢物語」とも言える体裁になっている。
 
朝日新聞のコラム「たわわ台湾」や歌集「ホスト万葉集」の編集者として名前は知っていたけれど、この小説を読んで、俄然氏に興味が湧いた。

中島岳志著「思いがけず利他」 読了

中島岳志著「思いがけず利他」
読了。
 

 
横断歩道を渡ろうと待つする小学生。
私は車を止めて渡り終わるのを待つ。
小学生は頭を下げて渡っていく。
段差で転んでしまった私に
「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれる若者。
起き上がって「大丈夫です、ありがとう。」という私。
偶然に出会う人と人との共存。
「思いがけず利他」とはいいタイトル。

清田隆之著「自慢話でも武勇伝でもない『一般男性』の話から見えた生きづらさと男らしさのこと」 読了。

清田隆之著「自慢話でも武勇伝でもない『一般男性』の話から見えた生きづらさと男らしさのこと」
読了。
 


この長たらしいタイトルの本。

「一般男子」でくくられる、「健康で、仕事あり、異性愛者」いわゆるマジョリティ10人の、建前の世界では話さない、家庭事情、性のこと、金銭のこと、裏切られたこと etc・・・
饒舌に語る男たちの告白をまとめた男性ジェンダー論。
 
十人十色と言うけれど、本当に人生さまざまで若い人たちの現実が垣間見えて面白かった。
何よりも、聞き手(著者)のどんな話も受け入れ共感する、優しさと懐の深さが印象的だった。

何と言ってもバーンスタインの音楽/映画「ウエスト・サイド・ストーリー」スティーブン・スピルバーグ監督

旧作のロバート・ワイズ監督「ウエストサイド物語」は中学三年の時に観た。

勉強を教えてもらっていた静大の学生さんが連れて行ってくれた。

自分はその時の印象を覚えていないが、彼が「踊りが素晴らしいね。」と言ったことを覚えている。

 

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それから、リバイバルなどでその映画を何度も観て、今ではセリフ、歌詞まで口ずさむ事ができる。

主人公たちの名前や、俳優、作曲家はもちろん振付師や作詞家の名前までスラスラ言える。

 

そのくらい私の青春の金字塔であったミュージカル映画スピルバーグ監督によってリメイクされた。

いつも上映が終わりそうになると観に行く映画が多い中で、この映画は公開三日目に妻と観に行った。

 

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オープニングのタタータ・タタタから音楽が静まるラストまで、曲の順番も会話もほとんど一緒。

マリアが言う「デアドール・アントン」(トニー、愛している)ももちろんあった。

だから当然旧作との比較になる。

 

中盤までは俳優のかっこよさや整然としたダンスの上手さで旧作の方が全然いいと思っていたが、終盤の決闘の場面から俄然、ミュージカルというよりドラマチックな要素が強くなり、映画としてよく出来ていると思った。

 

旧作をあまり知らない人はこの映画をどう思うのだろう。

とにかく、音楽が最高。クラシック音楽の要素が多分にあり、少しも古くならない。

さすが巨匠レナード・バーンスタインの音楽だと、彼の偉大さを再認識した。