同じ下戸(げこ)でもこんなに違う/妻と私の場合

妻も私もアルコールは苦手、いわゆる「下戸」である。

夕食に350mlの缶ビールを母、妻、私と三人で分けて足りる。

いや、それでも飲んだ後は頭ズキズキ、心臓ドキドキ、

カラダの置き場がなくなって、

「あ〜あ飲まなければ良かった。」と愚痴ってしまう時が多い。

家の中ではそうなんだけれど、外で飲む場合は、

妻と私では、スタンスが大きく違ってくる。

その1

先日、妻のコーディネーター仲間より飲み会のお知らせがあった。

題して「おいしいビールを飲もう会」

妻は予定を調整して、早々に参加の返事を書いた。

「おいしいビールなんて、最初の一杯でしょう。

 あとは水みたいなもんだから、アルコールで深酒すると大変じゃない。」

「いいのよ。他の人たちのように飲めなくても、

 いっしょにいるのが楽しいんだから。」

妻は当日、いそいそ出掛けて行った。

その2

能楽研究会の納涼会の誘いがあった。

会員のひとりが酒屋さんで、静岡の最上級のお酒を飲み比べする会らしい。

もちろん、妻は先生に「行きます。」と1つ返事。

私は・・・「いくらウマイ酒の飲み比べっていっても、そんなに飲めるの?」

「○○○○円の会費で、気持悪くなるのが関の山だから・・・。」

先生のよいしょを私は振り切って、妻ひとりの参加となりました。

もちろん・・・・その1,その2とも、

妻は帰ったとたん、気持ちよい(?)眠りに包まれておるようでしたが・・・。


まわりの事情をみごとに察し、飲めないことも忘れて、ウキウキ出掛ける妻。

結果を先案じして、折角のチャンスを逃してしまう私。

自分の顔と社会の顔をともに輝かせ、ビジネスに仲間作りに飛び回る妻。

仏頂面といらぬコダワリが、人前でついつい出てしまう私。

ビールコップ一杯しか飲めない同じ下戸でも、

実際のありようは、妻と私とこんなに違っているのです。

今日も夕飯前のコップ一杯のビールのおげで、風呂も忘れて居所寝。

お陰で、空が白む頃、下弦の月を眺める幸せに預かることとなりましたが・・・。