my best movie/映画「ブロークバック・マウンテン」
my bestシリーズ、三回目は映画「ブロークバック・マウンテン」のこと。
同性愛のカウボーイの出会いから真の別れまでの20年にわたるストーリー。
その間に、妻を裏切り、家庭を壊し、ホームレスになっていく。
アン・リー監督が哀惜の情をこめて社会の網から落ちていく男たちを描いています。
犯罪者とか障害者とか同性愛者など、マイノリティを語るのはとても難しいと思う。 在日の姜尚中さんは人権関係のインタビューで 「マイノリティにとって最大の苦痛は、絶えず自分が何者であるかを、自分自身にも 社会に対しても、明らかにしなければならないというプレッシャーにさらされていること。 そしてその差別が固定概念化し、自身の可能性までも奪ってしまう。」 と述べています。 主人公のイニスも自己を肯定出来ず、偽りの中で周りの人間を不幸にしていく。 最後、すべてを失った彼はブロークバック・マウンテンでの 若き日々のジャックとの思い出のみが残される。 そして、それが唯一彼が生きていく糧になるのだけれど・・・。 どんな人間も、マジョリティとマイノリティの部分をもっている。 そのため、鎧を身に付け、武装して、社会人として生きて行かざるを得ない場合がある。 映画の男たちは、自衛し、自分たちの人生を守ることすら出来なかった。 しかし、そういう男たちの生きざまが、 愚かで、痛ましくも、いさぎよく思えてしかたがない。
この映画のもう一つの魅力は、豊かでやさしく、悲しいまでに美しい自然の描き方です。 私が若い頃好きだった「ファイブ・イージー・ピーセス」など、 アメリカンニューシネマを思わせるタッチです。 どこまでも透明でうつろな、空と月。 カウボーイの愛を育む、山と水。 そして別れを予感させる、雪と風。 孤独な男たちの叫びを、自然が無言の言葉で、雄弁に私たちに語りかけています。 (画像は「ブロークバック・マウンテン」のパンフレットから借用しました。)
犯罪者とか障害者とか同性愛者など、マイノリティを語るのはとても難しいと思う。 在日の姜尚中さんは人権関係のインタビューで 「マイノリティにとって最大の苦痛は、絶えず自分が何者であるかを、自分自身にも 社会に対しても、明らかにしなければならないというプレッシャーにさらされていること。 そしてその差別が固定概念化し、自身の可能性までも奪ってしまう。」 と述べています。 主人公のイニスも自己を肯定出来ず、偽りの中で周りの人間を不幸にしていく。 最後、すべてを失った彼はブロークバック・マウンテンでの 若き日々のジャックとの思い出のみが残される。 そして、それが唯一彼が生きていく糧になるのだけれど・・・。 どんな人間も、マジョリティとマイノリティの部分をもっている。 そのため、鎧を身に付け、武装して、社会人として生きて行かざるを得ない場合がある。 映画の男たちは、自衛し、自分たちの人生を守ることすら出来なかった。 しかし、そういう男たちの生きざまが、 愚かで、痛ましくも、いさぎよく思えてしかたがない。
この映画のもう一つの魅力は、豊かでやさしく、悲しいまでに美しい自然の描き方です。 私が若い頃好きだった「ファイブ・イージー・ピーセス」など、 アメリカンニューシネマを思わせるタッチです。 どこまでも透明でうつろな、空と月。 カウボーイの愛を育む、山と水。 そして別れを予感させる、雪と風。 孤独な男たちの叫びを、自然が無言の言葉で、雄弁に私たちに語りかけています。 (画像は「ブロークバック・マウンテン」のパンフレットから借用しました。)