お見事ですが・・・/映画「チェンジリング」

最近は、公開される映画すべてがベストテン上位に入る、

日本の映画評論家、ファンにきわめて受けのいいクリント・イーストウッド監督。

今回の新作「チェンジリング」も評価の高い映画でした。



シングルマザー・クリスティンは息子ウオルターとつつましく充実した日々を過ごしている。

ある日、仕事から帰ってくると、息子がいなくなっていた。

警察に捜査を依頼し、五ヶ月後、子供は見つかるが、それは別人だった・・・。

人違いを訴えるクリスティンに解決済みとして、耳を貸さない警部。

あげくの果てには彼女の精神状態がおかしいと、精神病院へ送り込む。

それでも、クリスティーンはめげずに真実を追究していく。

最初から最後まで飽きさせない、ストーリーテリングのうまさ。

登場人物も、時代のムードも素晴らしく、映画を堪能させてくれる。

イーストウッド監督の、揺るぎない人間愛に満ちた作品といえるでしょう。

お見事でケチをつけようがないのですが、私にとっては好みの映画ではなかったですね。

教科書のように立派だけれど、今の映画としてみると、それほど新鮮ではない。

テーマは普遍性があるが、話のとらえ方、物の見方が当たり前すぎるのではないかな。

もしかしたら、古典として何年か先に見たら感動するかもしれませんが。

映画が進むにつれて、クリント・イーストウッドの王者のような顔がチラチラして、

気持ちが白々と、覚めてきて仕方ありませんでした。

(画像はパンフレットより借用しました。)