伝統と地域の底力 / 2009 IFFT 私感

総合インテリアの祭典、東京国際家具見本市(IFFT)が終わりました。 皆さま、遠路よりの御来場、ありがとうございました。


振り返れば、国内最大のインテリア情報ステージに立った、夢のような三日間。 世界で活躍するトップデザイナーと名刺交換させていただき、 日本を代表する家具メーカーの名誉会長と歓談することが出来ました。 規模も勢いも、嘗ての面影はなく、いずれ中国にその座を明け渡す可能性あり? それでも現状では、東洋最高クラスのセンスとクォリティを持つインテリアが終結する、IFFT。 弊社が、最小のコマであっても、そこに参加出来たことを名誉に思います。


東京ビックサイト東館2ホールの入場口がら始まる、家具の「にっぽんらいふ展」ステージ。 テーマゾーン、海外出店ブースがあり、雑貨の「Interior Lifestyle展」ステージが東館3ホール。 まずは、家具のブースを見て、雑貨が集まったブース、さらにファブリックのブースへと流れます。 この三日間、自社ブースの営業もそこそこに、会場をじっくり拝見させていただきました。 世界市場で鍛え抜かれた、刃物メーカー「SUWADA」の、群を抜いたディスプレー。 徳島の椅子メーカー「富士ファニチャー」が見せた、フォルムと座り心地最高のリラクゼーションチェア。 難易度の高い伝統黒切子を、ダンディなモダングラスに蘇えらせた、江戸っ子社長の「木本硝子」。 加茂桐箪笥職人「青木タンス店」社長が独自の技で製作した、美術品のような桐材組子屑箱。


時代と地域に育まれた技術とセンスが、見事に商品化されていたメーカーです。 ビッグな企業から、弊社のような工房まで、 多種多様な展示品を楽しませて頂いた私が、感慨と反省を込めて思うこと。 伝統の持つ揺るぎない力と、地域の持つ個性の力を背景に、 1つ1つのモノ作りに、全勢力が注がれている、名を秘めた人達の作品。 拠り所のない流行に千変万化し、その場その場のコト作りに、 大切な参加費や税金を注ぐ、名前が先行する人達のディスプレー。 トレンドを追いかけ、時間やモノを切っていく、デザイナーやプロデューサーの一群。 時間をかけて、かけがえのない日本の文化を、生みだし育てていく職人、商人たち。 閉塞したビジネス市場では、両方必要とされているのかもしれませんが、 はたして、デフレを経た未来は、どちらの方に開かれていくでのしょうか?