家具の文化を学ぼう!(KAGUメッセ通信1)
「家具道具室内史学会」は、家具・室内意匠と生活道具の歴史を
研究する事を目的とした学会で、2009年発足しました。
家具と建築が別々に独立している欧米や中国。
それに対して、我が国は押し入れ、床の間など、家具が建築に組み込まれている。
また、椅子ベッドを使わない床座様式だったので、家具を必要とせず、
そのため、欧米流の家具の発達がなく、家具史学も十分ではなかった。
しかし、どの時代にも特有の生活具があったわけで、それを民俗学。考古学と同様に、
家具、道具、室内の歴史から学んでいく必要があるのではないか。
建築に比べ研究対象の少ない、日本の暮らしの中の家具を学ぶ学問が生まれました。
第3回の総会の会場は「京都」。
今年5月中旬、妻が所属しているこの学会の総会に初参加しました。
今年の研究テーマは「宴会」。
古今東西の宴会における、室内意匠、家具道具についての研究発表がありました。
「日本建築はまさに『宴会』(=もてなし)のために作られたようなものだ。」
ある教授の言葉が、たいへん印象的でした。
翌日は、大正時代の建築家「藤井厚二」の実験住宅「聴竹居」の見学。
環境、住様式、自然素材・・・。
説明を聞く度に、快適な自然空間からかけ離れた、林立するマンションの姿が目に浮かぶ。
これから理想とされる、自然エネルギーを利用した住まいの姿を、
ここに見ることが出来ました。
人を癒やし、力づける建築や家具とはどういうものか。
80年前に建築されたエコハウスをみて、改めて考えさせられました。