世界は私のために、私は世界のために

グランプリという、栄光の美酒に酔った翌日は、

世の中すべてが「吉蔵」のためにあるように見える?

いいえ! そんなうぬぼれは、単なる二日酔いの副産物でしかない。

「吉蔵」が成長したのではなく、世間が「吉蔵」の方に、

ほんのちらっと振り向いたのに過ぎないのです。

それでも確かにグランプリの威力は凄い!

会場に着いた早々、青年部部長のS君から、

「SBSスクーピーの生中継があるから、吉蔵さん協力してください。」



10時前、スタッフが吉蔵ブースの前に集まり、何やら打合せ。

取材機器が雑然と置かれ、愛らしいスクーピー嬢がスタンバイ。

もちろんトークは妻に任せて、私は群衆となってカメラをパチパチ。

午後、静岡新聞の記者が取材に訪れる。

厨子とはなんですか? 開発意図は? ビジネスとしての戦略は?

矢継ぎ早の質問に、ひとつひとつ的確に答えることが出来たかどうか。



来場者も少なくなった午後3時過ぎ。

組合職員のOさんの先導で、静岡県関係の一団がわが小間へ。

グランプリ=県知事賞だったので、副県知事直々のご来訪。

今度はわたしが緊張しながらも、受賞の御礼と対象品の説明を一席。

表彰式には県のお偉方から直接賞状が授与されるそうです。

この日、静岡家具の世界は私のために広げられてあり、

私は世界のために、この静岡の代表の顔として振る舞った。

おおげさかもしれないけれど、そんな特別な一日となりました。