時代のキュレーター/地震学者「石橋克彦」氏講演会を聞く

地震学者「石橋克彦」氏って、ご存じですよね。 1976年の日本地震学会および地震予知連絡会で、 東海地震説のもとになった「駿河湾地震説」を発表した人。 今、静岡県が日本一の地震防災県になっているのは、この人の発言がもとです。 と同時に、浜岡原発を例に地震国ニッポンの原発の危険性をもっとも警告している人。 地震によって原子力発電所炉心溶融事故を起こし、 地震災害と放射能汚染の被害が複合的に絡み合う災害を 原発震災」と名付けて警鐘を鳴らした。 私は、大分前、氏の著「大地動乱の時代」岩波新書)を読んで、ゾッとしました。 そして今、氏の静岡初の講演会(7月16日)を聞きに出掛け、 救いようのない日本の現実を感じました。


・まず、原子力発電について、核分裂の話から詳しく解説。 ・専門の地震についても、震源域全部動く、震源断層運動であることを説明。 ・注目の浜岡原発は、東海大地震に遭遇した場合、  福島原発事故と比較にならない大災害となること。 ・ひいては、日本は及ばす世界が放射能汚染され、それは未来世代にも及ぶこと。






淡々と、過去のデータをもとに、現状を診断、未来を予測。 風見鶏的なジャーナリズムとは一線を画した、事の核心のみを語る清々しさ。 震災以来、マスメディア不審に陥っている一市民(私)にとって、 石橋氏が、現在の重要なキュレーターであることは間違いありません。 7月20日岩波書店から、石橋克彦氏の新刊が発売されます。 岩波新書原発を終わらせる」石橋克彦編 定価840円  ・福島第一原発事故  ・原発の何が問題かー科学的・技術的側面から  ・原発の何が問題かー社会的側面から  ・原発をどう終わらせるか