映画館解体が始まる七間町の今の姿と昔懐かし写真展@ミライエ

10月初旬、閉館を惜しむ映画ファンで賑わった七間町映画館街。 それが、セノバへ移って、映画館の灯りが消えました。 そして今、映画館は解体の準備に入っています。

先日、映画街を通ったら、早くも3つの映画館の壁面に足場が掛かっていました。 報道によると、オリオン座後は、静岡市が買い取り、 上下水道局庁舎を建設する予定らしい。 また、ピカデリー、ミラノ跡地は、ゼネコンのヨシコンに譲ったので、 マンションか何かがその内出来るでしょう。


また、貴重なタイル壁画「グランドジャット島の日曜日の午後」は、 保存が困難なため、一部だけを市役所かどこかの壁面に飾っておくそうですね。 どうやって剥がすのか分かりませんが、わたしもお裾分けいただけるとうれしい。 人の流れはすっかり鷹匠町や伝馬町の方に移ってしまい、 七間町界隈は、シャッターの降りている店もあり、夜は薄暗い感じがします。 もっとも、この位の明るさと静けさがタウンウォッチングには気持ちがいいのですがね。

さて、その七間町の歴史を写真パネルで展示した「昔なつかし写真展」が、 伊勢丹前のミライエ2Fで展示されているので見てきました。

それが何と、明治大正時代からの静岡のお街の貴重な写真ばかり。 映画街あり、名店街あり、なつかしい空に掛かる地球儀のネオンあり。 驚いたのは、大正時代に安倍川の大洪水があり、町中が水浸しになった写真。


そして、トンボやさんの内装が、あの倉俣史朗氏がデザインした事。 それから、駿府城のお堀にボート乗り場があった事、ご存じでしょうか?


人の記憶って、いつの頃のものがいちばん鮮やかに蘇ってくるのでしょうか。 頭の中のスクリーンに映し出される光景は、子供の頃、あるいは青春時代? 古い写真によって呼び戻される風景の、なんと純化されていることか。


テーブルに置いてあった、「七間町物語」と「静岡映画館物語」。 映画館の本はもっているけれど、「七間町物語」は一般に販売されたものでなく、 地域の人たちに配布された資料本だそうです。 3000円という価格がついていたので、もしかしたら譲っていただけるかもしれません。