週末・東京・残念なこと

半年ぶりの東京へ、フリーのひとり旅。 行きも帰りも東名バスに乗って。 隣に坐った若者は、終始iPhoneとにらめっこ。 私も負けじと、新書を取り出してメモのなぶり書き。 老眼の目には本も(iPhoneも)疲れる〜。


国立劇場での邦楽鑑賞「琵琶の会」が今回の目的だ。 琵琶の公演は4年ぶりとか。 薩摩、筑前、鶴田、錦、各流派の重鎮が揃った演奏を聞く。 そつのない演奏だけれど何か物足りない。・・・そうか、革新がない。 武満徹鶴田錦史の「ノベンバーステップス」の斬新さは何処へ。 「伝統は、革新を糧に生き延びる。」 琵琶人口3000人と言われる現状が、さらに先細りになりそうな気配を感じた。


朝日新聞広告に「パティックフィリップ展」開催とあったので、 南青山の認定ブティックへ覗きに行ってみる。 世界最高峰時計の、歴史や制作過程が紹介されていると思いきや、 ショーケースに、所狭しとフルラインナップのモデルが並んでいるだけ。 ハードカバーのコレクションカタログのお土産が豪華だった。


新装なった東京駅は、もの凄い人の海。 私は、丸ビル7Fテラスより丸の内駅舎の全景を俯瞰する。 曾ては周りを威圧するほど美しかったはずの東京駅。 今は、ノッポビル群に周りをとり囲まれて、行き場のなくなった文化財のよう。 100年後、生き残るのは、縦に延びるモノか、横に広がるモノか、どちらだろう?


LIXILギャラリーの「川島織物の美と技」展を見る。 パリ万博やセントルイス万博で展開される「川島織物」の世界。 織物を敷き詰めた「若沖の部屋」「光琳の部屋」「藤原の部屋」など、 日本文化を世界に知らしめた、二代目川島甚兵衛の功績を堪能した。 東京は、やっぱりお上りさんで行くところ。 静岡生まれのシズオカ育ちが、こころの洗濯に行くところ。 でも、今回は期待はずれが多く、ちと残念だった。