平成の街に昭和がぽっかり/ラーメン「吟月」
丸井・松坂屋裏通りのラーメン屋さん「吟月」。
特に美味しいというわけではないけれど、
この雰囲気に惹かれて通ってしまいます。
カウンター11席のみ。
壁には紙に書いたお品書きでぎっしり。
煤や油で黄色くなっています。
天井近くにテレビがありサッカーをやっていました。
椅子に座ると同時に主人が水とお絞りを渡して、
「お兄さん、久しぶり、元気だった?」
いつ行っても、どの客にも、ほとんど同じセリフの第一声。
「○○お願いします。」「ハーイ!」
混んでいるときは奥さん(でしょう)が給仕役。
本を読んで待っていると、10分もしないで、
「はいお待ち。旦那、聖書読んでるの?」
突然の声かけに、なんて言葉を返すか?
「ならいいけどね。」とわたし。
この主人に気の利いた相づちが打てるには、まだまだ修行が足りません。
女性客の姿を見たことがありませんが、女性とはどんな会話をするんでしょう?
ラーメン400円。
ラーメン+餃子などの定食700円から。
味は昔からある、なじみのラーメン。
すご〜くウマイとも思えないけれど、出来たて熱々。
再開発されたら消えてしまいそうな、
ビルの片隅にへばりついたラーメン屋「吟月」。
でも、この店のたた住まいと、主人のくせのある接客は、
たいせつな昭和の遺産と思えてしまい、ぜひ続いていて欲しいと思います。