なつかしい「ジャック・タチ」の映画

静岡シネギャラリーで公開されている「ジャックタチ映画祭」(8/23〜9/7)。

初日、静大講師のフランス人・スティーブ・コルベイ氏の関連セミナーを聞いた。

そしてその翌日「プレイタイム」を鑑賞。


青空と雲を背景としたタイトルから、

パリの街の風景に移動していくオープニングが素晴らしい。

未来都市を模した空港、ガラス張りの超高層ビル、屋根のないオフィス、

奇妙な新製品展示会場など、面白い風景はたくさんあるのに、

後半の夜通しパーティー場面で、ドタバタが度を超してだれる。

・・・これは、壮大な失敗作だと思う。

私が20代、当時70mmの大画面で見たときと今回も同じ印象。

その前の2作品「僕の叔父さんの休暇」「僕の叔父さん」では、

過剰な所がなく、スマートで粋だったよな、と思い返した。

セミナー後、コルベイ氏に「タチの映画で一番いいのは?」と聞いたら、

「初期の<僕の叔父さんの休暇>が最高。」との答えだった。

母国フランスでも彼と同じ評価の人が多いとか。

・・・そして、若かりし頃の私も、モノクロの「・・休暇」が一番面白かった。

「プレイタイム」の興行的失敗により、タチは倒産に追い込まれ、

その後は尻すぼみに消えてしまった。

東京では大ヒットしたという「ジャックタチ映画祭」。

静岡ではどうかな?