古典芸能の事

読書週間だ。

「めずらしく寝スマ本本スマ寝本 いつも寝スマ寝スマスマスマ寝」 (朝日歌壇 和田由紀) 通勤電車社内の七人掛けシートに座っている 7人の行動を、向かえから見た作者が描写。 いつもは本を読む人はいないのに今日は3人も。 (2023/10/29 朝日新聞朝刊 天…

プレゼンテーションを楽しむ。

シニアの仲間内で「プレゼンテーション」をする機会があり、「Power Point」を学習した。 これがメチャメチャ面白い。 文章作成、画像・動画入力、アニメーション、スライドショー何でもござれ。 ただ、あまりに面白い効果満載なので派手なやつを使いたくな…

平実盛の墓

「むざんやな甲(かぶと)の下のきりぎりす」芭蕉 武士の鑑と言われる平実盛(たいらのさねもり)。 実盛を詠んだ芭蕉の句があるほど人気の老将でした。 その墓がMOA美術館近くの伊豆山にあるんですね。 急坂を登ると休業中のホテル迎えの道路沿いに、 ひっ…

効率的と言う事は・・・

いつも読む朝日新聞「折々のことば」に興味深い事が書いてあった。 「自分が「使えない人」だとみなされて、 万が一線路に身を投げたとしても、 ため息をつかれるだけの存在だと言うことをかみしめる。」 宮地尚子(傷を愛せるか 増補新版から) 電車が止ま…

映画「ドンパス」「アンデスふたりぼっち」「裸足で鳴らしてみろ」は静岡未公開。

日本で公開される最近の新作映画に興味が湧かない。 ネットや図書館で借りれば昔の名作がいつでも観られる時代。1200円(シニア料金)も払うので、私は絞りに絞って選んでいるのだがハズレが多かった。文芸作品を装ったエロ映画「帰らない日曜日」は最低だっ…

私と統一教会、ちょっとだけの関わり

もう50年近く前遠い昔のことですが、私と統一教会の関わり(ちょっとですが)について思い出しました。 1972年大学を卒業し、もう2年英語専門学校へ通っていた頃です。その頃は70年安保は下火になりましたが、いわゆる連合赤軍がテロ化し、浅間山荘事件から…

フランス映画「恋人たち」ルイ・マル監督のDVDを観る

最近観たい映画が見当たらないのでビデオで昔の映画を見る。 フランス映画「恋人たち」ルイ・マル監督 世間知らずのブルジョアジーの若奥様(ジャンヌ・モロー)が主人公。 女友達やボーイフレンドと好き勝手に遊び呆ける毎日を過ごしていたある日、 クルマの…

歌人、小佐野弾氏の自伝的小説「僕は失くした恋しか歌えない」 読了

歌人、小佐野弾氏の自伝的小説「僕は失くした恋しか歌えない」 読了。 大伯父を国際興業グループの小佐野賢治氏にもつハイパーセレブ系の最高級の親ガチャ。 子供の時からボディガードが見守っていたという皇族並みの生活。 小説は主人公が母と兄が持つ会社…

中島岳志著「思いがけず利他」 読了

中島岳志著「思いがけず利他」 読了。 横断歩道を渡ろうと待つする小学生。 私は車を止めて渡り終わるのを待つ。 小学生は頭を下げて渡っていく。 段差で転んでしまった私に 「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれる若者。 起き上がって「大丈夫です、ありがと…

清田隆之著「自慢話でも武勇伝でもない『一般男性』の話から見えた生きづらさと男らしさのこと」 読了。

清田隆之著「自慢話でも武勇伝でもない『一般男性』の話から見えた生きづらさと男らしさのこと」 読了。 この長たらしいタイトルの本。 「一般男子」でくくられる、「健康で、仕事あり、異性愛者」いわゆるマジョリティ10人の、建前の世界では話さない、家庭…

何と言ってもバーンスタインの音楽/映画「ウエスト・サイド・ストーリー」スティーブン・スピルバーグ監督

旧作のロバート・ワイズ監督「ウエストサイド物語」は中学三年の時に観た。 勉強を教えてもらっていた静大の学生さんが連れて行ってくれた。 自分はその時の印象を覚えていないが、彼が「踊りが素晴らしいね。」と言ったことを覚えている。 それから、リバイ…

今年最初に観た映画/日本映画 「偶然と想像」濱口竜介監督

今年最初に観た映画。 日本映画 「偶然と想像」 濱口竜介監督 確かに人の行動は「偶然」に左右される。 そしてその偶然をもとに「想像」を巡らす人間の面白さ。 言葉の洪水を一言も聞き逃さず映画を観ているうちに見えてくる、 偶然に翻弄される人たちの、嘘…

今年見た映画14本

今年観た映画は14本。 20本が目標だから少ない。 「きみが死んだあとで」「ONODA1万夜越えて」など観たかったけれど見逃した映画もある。 燃ゆる女の肖像 あのこは貴族 天国に違いない すばらしき世界 シカゴ7裁判 ノマランド 街の上で アメリカンユートピ…

「カラマーゾフの兄弟」をもう一度読みたい。

朝日新聞12月28日朝刊「天声人語」にドストエフスキーと「カラマーゾフの兄弟」の事が出ていた。 世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことがある人と、読破したことのない人だ。」 ・・・そう書くのは村上春樹さん。 私は学生の…

青春18切符で奈良の旅(2日目)  

近鉄奈良駅近くのビジネスホテルへ泊まった次の日(11日)は、まず旅行では恒例の早朝ウォーキングで東大寺へ。 運慶快慶の阿吽の金剛力士像が睨みをきかせる南大門から右側にある二月堂へ。 ここは数年前妻と奈良旅行の折も行ったけれど、自由に回廊に登る…

青春18切符で奈良の旅(1日目)

12月の10日と11日、青春18切符を使って奈良へ行ってきた。 行きは静岡から名古屋まで東海道線。名古屋からは関西本線で奈良へ。 途中、亀山から加茂まで、電化されていない区間でディーゼル車に乗った。 一両のみのワンマンカーで、加速する時のグーンという…

brotherhood 対 sisterhood / アメリカ映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」

brotherhoodとsisterhoodの対決のような映画。 男女の性の関係に於いて、この映画のように 攻める側にとって性は快楽の1つに過ぎないけれども 守れない側にとっては死に値する屈辱となるケースがある。 男性の同志はことの重大さが理解出来ず、 犯した罪を隠…

「四字熟語」はシニアの頭の体操

ある作業をするために四字熟語に注目した。 解っているようで解らない「四字熟語」の世界。 参考にと二冊の本を取り寄せた。 「四字熟語ひとくち話」岩波書店辞典編集編 (岩波新書) 「中国の四字熟語」祐木亜子著 (日本実業出版社) まずは岩波の方だけれ…

海外でこそ大受けしそうな映画 / 日本映画「いとみち」(横浜聡子監督)

青森県・津軽を舞台に、メイドカフェでアルバイトする 人見知りな津軽弁少女の奮闘と成長を描いた青春ドラマ。 「いとみち(糸道)」とは三味線を弾く時に爪にできる溝のこと。 津軽弁と津軽三味線というローカル色の魅力がたっぷり。 と同時に、よくある家…

男性を侮るなかれ。

先月(5/7)の朝日新聞の声の欄に 「男性脱衣所に女性の清掃員 不快だ」 という中年男性からの投稿があった。 「多くの公共浴場やスーパー銭湯の男性脱衣所で 女性の従業員が掃除をしているケースが多い。 なんとも思わない男性もいるだろうが自分は不愉快だ…

七夕の夜、謡「楊貴妃」を練習する。

梅雨の真っ只中、雲に覆われ天の川は見えないけれど、せめて鬱陶しい気持ちを晴らす愛の物語をと、謡の先生が「楊貴妃」を選んでくれました。 (画像は「としま能の会」昨年7月の公演のポスターです) 能「楊貴妃」亡くなった楊貴妃の魂の行方を尋ねよとい…

観世会素謡会で「鞍馬天狗」を謡う&文章教室で「ラブレター」を書く

昨日(22日)に続いて今日も(23日)忙しかった。 観世会新春素謡会にて能「鞍馬天狗」の後シテ(大天狗)を謡う。 鞍馬寺にて修行する義経の前に大天狗が現れ、弟子になることはどういう事かを中国の故事を例えに語って聞かせる。 ♪ そもそもこれは~♪ 鞍馬の奥…

杜若のキリを舞います/岡諷会夏の素謡会

今日は岡諷会素謡会の夏の能おさらい会 謡は「菊慈童」のワキ方。仕舞は「杜若(かきつばた)」キリ(最後)の舞。を演じさせて頂きます。 ♪ 匂いうつる 菖蒲(あやめ)の鬘(かづら)の♪ 色は何れ 似たりや似たり♪ 杜若花 菖蒲 梢に鳴くは♪ 蝉の唐ころもの♪…

能「橋弁慶」の謡、弁慶役を少しだけ。

先日の日曜日(8/23)。 静岡観世会の夏季素謡会に参加しました。 私の属している岡諷会の出し物「橋弁慶」で 恥ずかしながらも、後シテの弁慶を謡わせていただきました。 能「橋弁慶」は京都五条の橋の上で、 弁慶と義経(牛若丸)が戦い、弁慶が敗れて義経…

来年の正月休み明け「鶴亀」を謡いましょう。

もういくつ寝るとお正月♪ お正月には凧あげて♪ ・・・・ 正月は家族と静かに過ごしますが、 休み明け8日(木)にこんなことを考えています。 <謡曲「鶴亀」を歌って新春を寿ぎ、長寿を願う。> ー「くれば」で、「鶴亀(つるかめ)」を謡いましょう。ー 私…

り〜んりーんと友を呼ぶ。能「松虫」

新宿展示会の終了後、すぐに国立能楽堂へ向かった。 珍しい能があるからという、妻の勧めで。 10月定期能 観世流「松虫」(シテ 岡久広) 酒売りの市へ男達がやって来て、酒を飲み交わす。 その内のひとりが「松虫が友を呼ぶ」という話をする。 昔、ここで二…

ここまでやるか、創作文楽・不破留寿之大夫(東京→静岡ひとり旅)

いつまでも「曾根崎心中」「菅原伝授手習鑑」ばかりじゃ物足りない。 ・・・と思っていたら、五年ぶりの創作文楽「不破留寿之大夫」が九月公演。 たしかに、この世界にもイノベーター(鶴澤清治氏)はいた。 「不破留寿之大夫(ふぁるすのたゆう)」とは、 シ…

扇を高く、緩急付けて・・・/謡い仕舞おさらい会

能の謡い、仕舞を始めて1年半。 日本の古典芸能は凄い、奥が深い・・・と 自分が学び、演じてみて始めて理解しつつある。 先日(11/16)私は、二回目の葵能楽研究会の発表会に参加しました。 何十年も「岡諷会」のメンバーとして謡を楽しんでいる諸先輩に加…

「羽衣」あっての、世界文化遺産・富士山

富士山が世界遺産となったことは光栄ですが、 自然遺産ではなく、文化遺産というところが複雑でした。 地元静岡市にある「三保の松原」も同様。 風景そのままより、そこから眺める富士山が文化的にどうなのか? ・・・って言うことなんですよね。 そんなこと…

こんなひどい能公演みたことない!

掛川城開門20周年を記念して開かれた薪能公演。 謡いのおさらい会で謡った「土蜘蛛」が演目だったので、 能仲間の人と一緒に行ってきました。 5月10日、その日の夜の天気予報は「雨」。 当然、雨の場合の予備に設けられていた掛川生涯学習センターでの公演に…