古典芸能の事
梅雨の真っ只中、雲に覆われ天の川は見えないけれど、せめて鬱陶しい気持ちを晴らす愛の物語をと、謡の先生が「楊貴妃」を選んでくれました。 (画像は「としま能の会」昨年7月の公演のポスターです) 能「楊貴妃」亡くなった楊貴妃の魂の行方を尋ねよとい…
昨日(22日)に続いて今日も(23日)忙しかった。 観世会新春素謡会にて能「鞍馬天狗」の後シテ(大天狗)を謡う。 鞍馬寺にて修行する義経の前に大天狗が現れ、弟子になることはどういう事かを中国の故事を例えに語って聞かせる。 ♪ そもそもこれは~♪ 鞍馬の奥…
今日は岡諷会素謡会の夏の能おさらい会 謡は「菊慈童」のワキ方。仕舞は「杜若(かきつばた)」キリ(最後)の舞。を演じさせて頂きます。 ♪ 匂いうつる 菖蒲(あやめ)の鬘(かづら)の♪ 色は何れ 似たりや似たり♪ 杜若花 菖蒲 梢に鳴くは♪ 蝉の唐ころもの♪…
先日の日曜日(8/23)。 静岡観世会の夏季素謡会に参加しました。 私の属している岡諷会の出し物「橋弁慶」で 恥ずかしながらも、後シテの弁慶を謡わせていただきました。 能「橋弁慶」は京都五条の橋の上で、 弁慶と義経(牛若丸)が戦い、弁慶が敗れて義経…
もういくつ寝るとお正月♪ お正月には凧あげて♪ ・・・・ 正月は家族と静かに過ごしますが、 休み明け8日(木)にこんなことを考えています。 <謡曲「鶴亀」を歌って新春を寿ぎ、長寿を願う。> ー「くれば」で、「鶴亀(つるかめ)」を謡いましょう。ー 私…
新宿展示会の終了後、すぐに国立能楽堂へ向かった。 珍しい能があるからという、妻の勧めで。 10月定期能 観世流「松虫」(シテ 岡久広) 酒売りの市へ男達がやって来て、酒を飲み交わす。 その内のひとりが「松虫が友を呼ぶ」という話をする。 昔、ここで二…
いつまでも「曾根崎心中」「菅原伝授手習鑑」ばかりじゃ物足りない。 ・・・と思っていたら、五年ぶりの創作文楽「不破留寿之大夫」が九月公演。 たしかに、この世界にもイノベーター(鶴澤清治氏)はいた。 「不破留寿之大夫(ふぁるすのたゆう)」とは、 シ…
能の謡い、仕舞を始めて1年半。 日本の古典芸能は凄い、奥が深い・・・と 自分が学び、演じてみて始めて理解しつつある。 先日(11/16)私は、二回目の葵能楽研究会の発表会に参加しました。 何十年も「岡諷会」のメンバーとして謡を楽しんでいる諸先輩に加…
富士山が世界遺産となったことは光栄ですが、 自然遺産ではなく、文化遺産というところが複雑でした。 地元静岡市にある「三保の松原」も同様。 風景そのままより、そこから眺める富士山が文化的にどうなのか? ・・・って言うことなんですよね。 そんなこと…
掛川城開門20周年を記念して開かれた薪能公演。 謡いのおさらい会で謡った「土蜘蛛」が演目だったので、 能仲間の人と一緒に行ってきました。 5月10日、その日の夜の天気予報は「雨」。 当然、雨の場合の予備に設けられていた掛川生涯学習センターでの公演に…
昨年5月に、近くの市民活動センターで募集していた、 謡いと仕舞のおけいこ、「葵能楽研究会」なるもの。 能の経験のある妻に誘われて、何となく参加しました。 その後、月二回のおけいこに行ったり、行かなかったり。 そんな能楽体験が、「4月に発表会をや…
洋楽一辺倒だった私の趣味のなかに、日本の古典芸能が入ってきたのは、 まったく妻の影響です。 最初は能楽堂への招待。 あの、気の遠くなるほど退屈な能舞台を、何度も見せられました。 続いて歌舞伎座へ。 最初に見たのは「義経千本桜」だったかな。 しか…
今週の日経新聞夕刊・裏面の人気コラム「こころの玉手箱」に、 能楽師「浅見真州」氏が登場している。 観世流能楽師・浅見真健氏の五男、東京生まれ。 世阿弥の再来といわれた能楽界の巨人、観世寿夫氏に師事。 現在、最高の能楽師だと思う。 藤田喬平氏の飾…
10月の楽しみは何と言っても、年に一度のグランシップ文楽。 今年は超豪華版ですぞ〜。 何と言ったって、あの世話物の名作「曾根崎心中」を通しでやるんだから。 それに、昼の部は時代物の「仮名手本忠臣蔵」。 人形遣いの吉田簑助、桐竹勘十郎。 浄瑠璃方の…
好天に恵まれた今年の連休。 私の場合は、KAGUメッセに向けての準備に追われた毎日。 ただ一日だけ、古式ゆかしい琵琶の演奏会を楽しみました。 琵琶の音色に魅せられるようになったのは、いつ頃からだったろう。 最初は、上原まりの筑前琵琶を聞き、その演…
出張に行った際に、国立小劇場で「文楽」を見てきました。 いや、文楽に合わせて、上京したのが、正解かな。 無形の世界遺産に指定されている、日本古典芸能のビッグスリー。 「能」「文楽」「歌舞伎」 若い頃は洋楽一辺倒だった私が、日本の古典に詳しい妻…
東京国立能楽堂は今年で創立25周年を迎えました。 特にこの秋からその記念公演が目白押し。 源氏物語千年紀記念・新作能「夢浮橋」がその頂点ですが、 今回は日程の都合で、11日(土)妻と上京し、世阿弥の傑作能「鵺」を鑑賞しました。 「鵺(ぬえ)」は…
静岡へやって来た文楽。 私は昼の部を鑑賞したのですが、演目が素人でも判りやすい人情物と、スペクタクル。 期待に違わず、会場は大喝采でした。 最初の演目「一谷嫩軍記」は平家物語から題材を採った話です。 源氏の武将熊谷直実が一谷の合戦で、平家の若…
洋楽一辺倒だった青年時代から、日本の古典芸能が加わって、楽しみの巾が増えた私の中年時代。 これは、古典に詳しい妻の影響です。 最初のうちはしぶしぶ出かけた歌舞伎や能の公演。 歌舞伎はともかく、能は睡魔との戦いでした。 しかし、優れた芸術という…