橋本治が気になる。
橋本治が亡くなった。
私と同世代の享年70歳。
彼の登場は何といってもあの刺激的な、東大駒場祭のポスター。
「止めてくれるなおっかさん、背中の銀杏が泣いている・・・」
が鮮烈なデビューだった。
それから小説からエッセイ、古典文学の現代語訳と膨大な数の本を出し続けた。
まさに団塊世代の代表的異才である。
でも、天才は早死にするのことわざどおり、
古希の、今ではまだまだ油ぎっている時期にあの世に行ってしまった。
氏の本は凡人の私には極端というか難解というか、
なかなか馴染めなかったのであまり読んでいない。
「蓮と刀」「わからないという方法」くらいかな。
「蓮と刀」も有名な日本文化論「菊と刀」(ルース・ベネディクト)
のタイトルをもじったのか、過激な日本男性文化論になっていて、
途中までしか読んでいない。
本当は「桃尻娘」も【窯変源氏物語』も「貧乏は正しい!」も
読みたかったけれど、スルーしてしまった。
氏が亡くなった時、何故か喪失感を感じてしまい、
静岡駅前の戸田書店へ行って氏の本を探したけれど、
数々あった著書のほとんどが在庫なし。
もう、彼は過去の人になったのか、団塊は忘れ去られたのか。
あ~あ、昭和は遠くなりにけり・・・。
橋本治のようなリベラルに生きてきた人こそ
もっともっと活躍してほしかったと思っている。
ご冥福を祈ります。
また、氏の作品をこれから注目して読みたいと思っています。
毎年恒例、1月2日のありふれた過ごし方。
正月二日の朝6時半ごろ、家を出発して徒歩で天神の湯へ向う。
明け方の空を見上げると、月と金星のランデブーが可愛かった。
呉服町、伊勢丹前では、既に初売り目当ての人たちが並んでいる。
伝馬町から横田町へ旧東海道を東に。
ちょうどその頃日が差してくる。
1時間のウォーキングの後、天神の湯で朝風呂を楽しむ。
人が少なくて、露天風呂やサウナを独り占め。
ゆっくり温泉でリラックスした後は、
東静岡駅近くのコメダ珈琲で朝食を。
1時間滞在して、読みかけの長編小説「長い道」柏原兵蔵著を読む。
漫画「少年時代」&映画「少年時代」の原作だった。
そこから東静岡駅に向かいJRで静岡駅へ。
途中、東静岡駅の階上コンコースでFacebook用の写真を撮る。
静岡駅から初売りバーゲンが始まった松坂屋へ。
おそらく一年で一番来場者が多く、売り上げも多いのだろう。
続いて伊勢丹の紳士服の階、バーゲン売り場で欲しいものを探す。
バーゲンになったパジャマ、財布、靴下が購入候補だが・・・。
どうしても今年買わなければというものではないし、
まだあるからモノを増やしたくないし・・・。
結局手ぶらで帰途へとなった。
私がモノを買わないのだから、あなたも同じ。
商売の家具が売れないのは理の当然と思う、私の行動。
さて、一日に着いた年賀状の中で、こちらから送ってない方があるので
賀状を改めて印刷し、本局郵便局へ投函しに行く。
少しづつ減らしていきたい年賀状、ビジネス向けは本当に少なくなった。
夜は帰省した子供たちや、親戚の家族でささやかな新年会が楽しい。
いつまで続けられるか、いつまで同じメンバーの参加があるのか。
こうして二日目の正月が暮れていく。
今年のドラマ best3 (映画2本+TVドラマ1本)
今年観た映画は17本。
日本映画「光」大森立嗣監督
日本映画「花筐」大林宣彦監督
フィンランド映画「希望のかなた」アキ・カウリスマキ監督
アメリカ映画「スリー・ビルボード」マーティン・マクドナー監督
日本映画「リバーズ・エッジ」行定 勲監督
アメリカ映画「シェイプ・オフ・ウォーター」ギレルモ・デル・トロ監督
アメリカ映画「ペンタゴン・ペーパーズ」スティーヴン・スピルバーグ監督
イタリア映画「君の名前で僕を呼んで」ルカ・グァダニーノ監督
ロシア映画「ラブレス」アンドレイ・ズビャギンツェフ監督
アメリカ映画「犬が島」ウェス・アンダーソン監督
日本映画「万引き家族」是枝裕和監督
日本映画「パンク侍、切られて候」石井岳龍監督
日本映画「未来のミライ」細田守監督
日本映画「きみの鳥はうたえる」三宅唱監督
日本映画「寝ても覚めても」監督 濱口竜介
イスラエル映画「運命は踊る」サミュエル・マオズ監督
イギリス映画「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー監督
昨年に続き、傑作ぞろいの日本映画。
「万引き家族」が頂点と思っていたら、その上があった。
日本映画「寝ても覚めても」
源氏物語から近松の心中もの、戦後の成瀬監督映画の諸作品に脈々と息づく、
恋の中に魔物が潜む人たちの物語。
その行動の不可解さ、理不尽さを、ホラー映画ばりのサスペンスで演出。
最後まで金縛りにあったようだった。
外国映画では ロシア映画「ラブレス」
夫婦の離婚後のネグレクトを知った子供の失踪。
寒々としたロシアの冬のような夫婦の無感情、無関心が印象的。
その他人の子供を探すボランティアの人たちの呼ぶ声に僅かな愛が見えるが。
番外TVドラマからの1本は 「おっさんずラブ」
評判を知って途中から見た。
くだらない、ありえないと思いながらも最後まで見てしまった。
このドラマで面白かったのが、離婚を強要された妻がとった行動。
恋する部下の春田(田中圭)に振られて失意に沈む
上司の黒澤(吉田鋼太郎)を見かねた妻・蝶子(大塚寧々)が
こともあろうに離婚の原因となった春田に
再アタックするよう夫を応援するところ。
女々しい男性に対する、雄々しい女性像が新しい。
以上、愛を描いた3本のドラマ、大満足でした。
還暦から古希へ
とうとう古希になった。
最近の「記録する」「見てもらう」という新しいツールのおかげで、
思い出を簡単に整理出来るようになった。
以下、私の還暦から古希まで10年の棚卸し。
この10年で終わったこと
<父との生活が終わった>
父が86歳で逝去。
晩年は認知症の父を皆で世話が出来たことが幸いだった。
<大好きなエアロビクスを断念>
50代初めからずっと続けてきたエアロビクスを
脊椎管狭窄症手術後の足のマヒにより、泣く泣くあきらめた。残念。
この10年で始まったこと
<ブログを始めた>
ビジネスブログから転じて日常の思いを吐き出す
ストレス解消の格好のツールとなった。
800以上の記事にこの10年の出来事が詰まっている。
<謡いと仕舞を始めた>
能が趣味の妻の影響で以前より能楽鑑賞はしていた。
それが近所の能愛好家の誘いで自ら能を謡い舞うことになった。
難しいけれど、男性が少ないおかげかシテ方も演じさせて頂いている。
<団塊創業塾で仲間づくり>
ブログフレンドに誘われて興味を持った。
コミュニケーション、好奇心、行動の3つの「コ」があれば
充実した残りの人生を楽しめそう。
<早朝、浅間さん100段のぼり>
ほぼ毎朝自宅から浅間神社に向かい、
100段をのぼって麓山神社をお参りし降りてくる。
仕上げは住吉公園でラジオ体操。
この10年も続いていること
<映画を見ること>
新しい映画が公開されると、無性に観たくなる。
時間、懐具合を考慮して、若いときほど多くは観ないけれど、
好きな映画は感想を書いて大切にしまってある。
<本を読むこと>
若いころに比べ小説はあまり読まない。
最近は社会的な事、シニア関係、ジェンダー、ITなど、
新書を中心に読書を続けている。
<家具の仕事はまだまだ現役>
成長から衰退へ。この十年、家具の業界は大きく変わった。
高齢者(若者も?)はモノ離れから断捨離へ。
大切な物は直して使えるよう、私たちは推奨している。
<家族仲良く>
母、妻、私の3人暮らし。
娘二人は東京で仕事をしており、時々帰省。
皆、充実した日々を送っていると思う。
団塊創業塾のセミナーでも話したけれど、
本や映画でインプットし、ブログや対話でアウトプットする。
こうして記録するこそが古希以降のボケ防止につながるのではないか。
これからもずっと続けていきたい。
大須賀町「小さな美術展」と愛宕下羊羹
先日、大須賀町の「ちっちゃな文化祭」に行ってきました。
歴史ある街道を歩きながら、旧家を借りて展示している作品を鑑賞するのが
目的なのですが、一番の楽しみは「愛宕下羊羹」をゲットすること。
「とらやの羊羹」は超有名ですが、
全国各地にも素朴で絶品の羊羹はたくさんあります。
下諏訪「新鶴本店」の塩ようかん、日光「三ッ山羊羹本舗」の水ようかん、
などなど。
静岡では「秋葉山の大祭」の時だけ作る、清水「栗田みのや」の蒸し羊羹。
そして、大須賀町の「愛宕下羊羹」の練り羊羹。
ガイドには午前中に売り切れとか、並ばないと買えないとか聞いていたので
到着してまずは店に向かいました。
並んでいる並んでいる・・・
それでも11時頃だったので、まだまだ羊羹は十分ありました。
さて、大須賀町の名物「愛宕下羊羹」。
栗羊羹、宇治茶羊羹、季節限定の白柚羊羹など、いろいろありますが、
基本は小豆羊羹と白羊羹でしょう。
私はいんげん豆をゆっくり火に掛け煉った、白羊羹のあっさり味が好みです。
材料の良し悪しはもちろんですが、甘味をどう加減するかが鍵。
この地には「横須賀しろ」という良質の砂糖がありますが、
それと関係するのでしょうか。
この羊羹、味もさることながら、噛み心地が素晴らしい。
噛むほどに、甘さから離れて、小豆やインゲン豆の味が見えてきます。
その他、大須賀町には名物がたくさんありました。
昔から続く国産材と木樽による醸造の醤油屋さん、栄醤油醸造
奇想天外でユニークな形と色彩が特徴の「横須賀凧」、やなせ提灯店
三熊野神社大祭で引き回される13台のねり、など。
今もまだ、価値ある懐かしい風景、素朴で純粋な味が残っている、
大須賀町の街と名物を楽しみました。
ウナギとかき氷で暑気払い
娘の誕生日に、はたまた暑気払いに、
ウナギとかき氷の組み合わせ(食い合わせ)?
娘が休みで帰省したので、母妻娘私と4人で1年ぶりの「鰻の満喜多」へ。
ここの、ふわっとした鰻の身の柔らかさと、
口に残らないほどよいたれの品の良さ。
ゆば入り肝吸いと香の物も丁寧に調理されている。
高級料理になってしまい庶民には手がどかない鰻重。
来てから裁くので30分以上待たされるけれど、
1年に一度でいいから最上の鰻を食べたい。
そんな要望に今年も満喜多は応えてくれました。
満喜多の帰りに立ち寄った「やきいも末永」。
たこ焼きの「横山」なき後、庶民派駄菓子や風かき氷はここかな。
一点の曇りもない透明な氷を自動かき氷機でシャッシャッシャッ。
うす〜いピンクのイチゴシロップ(180円)
練乳ミルク入りの甘露ミルク(220円)
中にあずきが詰まった真っ白氷あずき(240円)
氷のざらつきが無く、口に入るとふわっと溶ける。
シロップも甘すぎず、こちらも口に残らない。
冷たすぎない氷をかくと綿のような氷が出来、頭にキーンとこないそうです。
妻も母も「到底全部は食べられない。」と言っていたのに、
美事に三カップ、カラになりました。
多くのお客はとれない、ウナギの名店「満喜多」と
短い期間のかき氷が地元で人気の、やきいも「末永」。
静岡の知る人ぞ知るところの、なくなって欲しくないお店です。
夏休み、こんな本を読みました。
夏休み、こんな本を読みました。
岡本純子「世界一孤独な日本のオジサン」(角川新書)
恐ろしいタイトルとは裏腹に、
まさにコミュ力溢れる、女性ならではの
データを並べたおしゃべりでいっぱいです。
前半は、世界のオジサンに孤独病が蔓延している事を報告。
中でも日本のオジサンは世界一の孤独病患者と
不安を振りまいてくるので余計に病状が悪化しそう 。
後半は、その処方箋とコミュ力体操で孤独を吹き飛ばそうと提案。
老後の必須は「カネ (たくわえ)・コネ(つながり)・ネタ(いきがい)」
挨拶して、褒めて、人の話を聞いて、笑顔を絶やさず、感謝する。
そして鎧を脱いで立場主義から降りることを実践しよう。
深刻な内外データの横並びから、ハウツーモノになって行く
少々軽いノリにも思える話の推移。
でも、こういう簡単そうな訓練が、我々オジサンには
なかなか出来ない、いや、やらないんですね。
もちろん、そうです! 努力してこその楽しい人生。
そこは著者の見解に大賛成です。
ただ、真の孤独はその先のような気もする。
連れ添いや友人に先立たれ、
認知症、ガンなど深刻な成人病が襲って来たら・・・。
そのへんは著者の続編に期待したい所です。