古(いにしえ)が今と並んだ・・・11月の京都。

11月に入った最初の週末。 半分は仕事、半分は観光と欲張って、 京都で開かれている仏壇の展示会に行ってきました。 「都メッセ」で開催されている全国仏壇産地展示会。 家具仲間が誘ってくれて、今回が初めの入場。 徳島の優れた仏壇メーカーのブースで社長はじめ担当者に紹介いただいた。 伝統的な形からモダンまで、質の高い仏壇が勢揃い。 この素晴らしい会社とお付き合い頂けそうな気配で、行った甲斐があった。


一方、「京都博物館」で同時期開催の「京都仏具四人展」。 取引先の社長さんに、和室大広間の会場内を案内していただく。 今も日本のかけがえのない手仕事の遺産がここに生きている。 ひとつひとつ、ため息が出るような質の高い工芸品の数々。 その中に「吉蔵」を加えて頂いていることの感謝とともに、 まだまだ京都のレベルに達していない、と身の締まる思いがした。 西本願寺門前町にある仏壇の小売り屋さん。 取り揃えてある仏壇や仏具の豊富さと品のよさ。 ギフトショーで知り合い取引いただいている、 オーナー若夫婦のセンスのよさが店内のしつらえに生きていて、たいへん参考になった。


さて、仕事を終えて行きたかったのは、この時期一般公開の「京都御所」 伸びやかでおおらかで。簡素でありながら気品に満ちて・・・。 同じアジアの宮殿でも、中国の紫禁城、韓国の景福宮とは全く違う。 茅葺きの屋根をはじめ、木の文化が至るところに生かされている。


日本人のきめ細かさの象徴のような文化遺産「御所」。 数年前以来再び、私の最も好きな日本建築を訪れることが出来た幸せを噛みしめた。 どうぞ、この美しさが日本人のこころから失われることのないように。 京都は「古(いにしえ)が今に生きている希有の都。 伝統と革新のバランス感覚を、その土地に住む人々はよく知っていると思う。 なるほど、今年から制定された「古典の日」も京都が発信地だったんだ。