商人と職人の間
2月10日は午後と夜、2つの講演会のはしごをしました。
まず、最初は静岡県工業技術研究所で行われたビジネスセミナー。
「開発技術者に必要なマーケティングの基礎知識」
講師はキャノン、スター精密のマーケティングに携わり、現在は上記研究所主幹の加藤俊文氏。
中小企業にとって、マーケティングは企画者、開発技術者が担当しなければならない。
そういう方面へのマーケティングの基礎を伝授。
SPAC (Segment・Position・Target・Consseptの略)
商品開発を企画する際に重要となるマーケティングのフレームワーク。
4P(Prduct Price Place Promotion)
マーケティングミックスという、4つの主要な構成要素。
恥ずかしながらも初めて知った、たいへん重要なキーワードの数々。
今後のマーケティング研究の足掛かりとなりました。
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夜は技術者(職人)のための椅子製作技術講習会。
「椅子の考え方・作り方」
講師は椅子製作に携わる人にとって神様のような存在の、
世界的な椅子張り職人、椅子モデラー(株)ミネルバ社長、宮本茂紀氏。
講演会に参加した多くの若きクラフトマンをはじめ、家具関係者、総勢60名余。
神様が紹介、説明する実物の名作椅子の数々を、食い入るように真剣に見つめています。
私も、どんな些細な話も漏らさず書き留めようと、賢明に筆記してしまいました。
でも、宮本さんは、職人のプライドを持ちながらも、しなやかで柔軟な考えの持ち主の普通の方。
「身長150cm以下の多くの日本老婦人に向けた椅子がない。」
「万人向きでなくて、老若男女それぞれに対応出来る、マイチェアーが必要なんだ。」
「だから、この椅子こそ座りやすさナンバーワンなどということはあり得ない。」
決して学者の理論や理屈ではなく、
もの作りの現場の体験から生まれたであろう常識ある提言で一貫していました。
商人と職人と、2つの職種にまたがっている私。
昼は刺激的に、夜はほのぼのと、ともに実りある貴重な講演会でした。