仏壇と盆栽と文楽と/2015年5月21日東京

久しぶりの東京出張。

仏壇店で修理と、盆栽園を訪問して、

締めは久しぶりの国立小劇場「文楽」鑑賞へ。


銀座のど真ん中の高級仏壇店で、弊社製作の仏壇の修理。

塵一つないショールームの片隅で、照明部分の取り替え。

店長さんが慣れた手付きで補助役に回ってくれるので超緊張した。

銀座の喫煙場所ともいえるミニ公園で、中華弁当を買って昼食。

こういう場所って、99%が男性の溜まり場だ。


午後は盆栽界の異端児&第一人者小林圀雄氏が

10億円かけて作ったと言われる「春花園BONSAI美術館」へ。

美事な盆栽の数々もさることながら、盆栽を乗せる卓や棚に興味有り。

紫檀黒檀などの貴重な材、唐木工芸品が用いられ、

なおかつ年代物が価値を持つといわれている。

とても手が出る世界ではないけれど、園内独り占めして堪能した。


夕方は、文楽を観に国立小劇場へ。

・大仕掛けの活劇時代物「祇園祭礼信仰記」

・きめ細やかな心中物「桂川連理柵」(れんりのしがらみ)

2時間づつの大作、2本の出し物で¥6,700は安い!

そして、熟練した日本の名人芸は何度見ても素晴らしい!

金が家が国が宗教が、個人の自由や夢を押しつぶす世の中を、

人形と浄瑠璃が哀憐たっぷりに歌い上げる。

人の生き死にが意地や義理、名誉やしがらみで左右される社会。

仇討ちも心中も特攻も、死を美化する倒錯的傾向とも言われるけれど、

こうした洗練された様式美で表現されると、感動以外の何ものでも無し。

帰りの新幹線。

しゃべくりおばちゃま軍団の隣に座ってしまった。

彼女たちの奇声が子守歌となって、静岡まで夢うつつ状態だった。