青春18切符で奈良の旅(2日目)
近鉄奈良駅近くのビジネスホテルへ泊まった次の日(11日)は、まず旅行では恒例の早朝ウォーキングで東大寺へ。
運慶快慶の阿吽の金剛力士像が睨みをきかせる南大門から右側にある二月堂へ。
ここは数年前妻と奈良旅行の折も行ったけれど、自由に回廊に登ることが出来、しかも奈良の山並みや街を一望できる。
とにかく拝観料がバカにならない奈良にとって、無料で国宝の建物に上がることが出来る貴重は建物がこの東大寺二月堂。
拝観料を払えばお賽銭は払う気がしないが、ここでは唯一賽銭を納め合掌した。
ホテルをチェックアウト後、再びレンタサイクルをかり、世界遺産の元興寺から春日山から三笠山が連なる傾斜のある道を白毫寺へ向かった。
友人がお勧めのこの寺、花の名所と展望の良さで有名のようだが、確かにこじんまりと佇まいの美しい寺だった。
お隣の新薬師寺へ行く途中に文豪が晩年執筆したり友人を招いたりした豪邸、志賀直旧邸があり趣味のいいインテリアを拝見出来た。
それから向かった新薬師寺、行く前までそれほど期待のなかったこの寺、なんと今回の最高の出会いの場所であった。
建物は天災でほとんどなくなってしまったが、金堂内に並ぶ仏像の数々にどきもを抜かれた。
(新薬師寺堂内は撮影禁止なので仏像の画像は絵はがきから)
中心に鎮座する薬師如来の周辺を外向きに十二神将が囲む。
一番有名なバサラ大将から始まって右回りにアニラ、ハイラ、ヒギャラ大将など、干支と関連づけた武将立像が十二体並んでいる。
そこはまさしく美術館ではない、あの世を模した別世界。
仏の慈悲深き姿を悪霊に犯されまいと、物凄い形相の武将が目を光らせている。
薄暗く、所々蝋燭に照らさせて荘厳極まる堂内はまさしく寺社の本来の姿だ。
バサラ大将側には椅子が並んでいて、参拝者が数人いつまでも立ち去らず眺めている。
見方を変えれば、それはアニメやフィギュアの世界に通じるものがあると思う。
小中高校生をここへ連れてくれば大喜びするだろう。
ガラスケースに入った国宝を展示する法隆寺に学生の団体が多数いたが、この新薬師寺を見れば強力な思い出になるのではないか。
他の寺では何も買わなかったが、ここでは絵葉書と干支のお守りを手に入れた。
最後はささやきの小径をチャリを引いて春日大社に向かった。
寺院とは違って立替したばかりのやしろが並び華やいだ印象だ。
坂を下り、柿の葉寿司で昼食を済ませ、土産を買って帰路に着いた。
帰りは奈良線で京都に向かい、快速、各駅を乗り継いで静岡へ向かった。