18切符で南信州・その時のハプニング
改札口の乗務員に聞いたが届け出がないという。
そのうち彼は私が乗ってきた列車が
まだ止まっているから確認してきたらどうかという。
列車を降りようとした時、ドアがす〜と閉じた。
大声で言ったら、
運転手は気付いてドアを開けてくれた。
間一髪、ご迷惑かけてスミマセン。
七夕の夜、謡「楊貴妃」を練習する。
梅雨の真っ只中、雲に覆われ天の川は見えないけれど、
せめて鬱陶しい気持ちを晴らす愛の物語をと、
謡の先生が「楊貴妃」を選んでくれました。
(画像は「としま能の会」昨年7月の公演のポスターです)
能「楊貴妃」
亡くなった楊貴妃の魂の行方を尋ねよという玄宗皇帝の命令を受けた方士が
仙郷・蓬莱山に至ると、そこでひとり過ごす楊貴妃と出会う。
玄宗の言葉を伝えた方士が、貴妃に出会ったという証拠を所望するので、
貴妃は自分の釵を与えるが、それでは確かな証拠にならないと方士は言い、
玄宗と貴妃とが生前に言い交わした秘密の約束を教えてほしいと言う。
貴妃は二人だけの秘密の言葉を教えると、帰ろうとする方士を呼び返し、
かつて宮廷の遊宴で舞った舞を見せようと言う。
貴妃は玄宗との思い出を語り、優雅に舞って見せる。
やがて方士は帰ってゆくので、貴妃はそれを見送ると、
涙に伏し沈むのであった。
この能のハイライトは七夕の夜、
織姫と彦星に向かって誓う二人だけの愛の言葉。
「天に在らば願わくは 比翼の鳥とならん
地に在らば願わくは 連理の枝とならん」
天に在れば、いつも羽を並べて離れない鳥となろう
地に在れば、いつも枝を連ねて離れない木となろう
今回私は楊貴妃を尋ねるワキ方の方士後半を受け持つことになりました。
玄宗皇帝の嘆きを楊貴妃に伝え、出会えた証拠を皇帝に持って帰りたいと訴える。
そのシテ(楊貴妃)とのやり取りは、絶妙の呼吸が必要とされるそうです。
ワキはシテの哀れ、悲しみを浮かび上がらせた後、
さらに舞を披露するシテの美しさを引き立たせる大事な役。
8月のおさらい会まで、どこまで役作りが出来るか、
今夜のお稽古、頑張らなくては。
連休中、”STAY HOME ” でじっくり読んだ本
5月の連休のしばらく前、コロナの影響下”STAY HOME”が推奨される中、
何年か振りに静岡県立図書館へ行ってきました。
桜が終わり、新緑が美しい谷田の丘陵にある静かな図書館と県立美術館。
残念ながら「きたれ!バウハウス」の企画展が開催中の美術館は休館中でした。
私が本を借りに行った図書館もその後休館になるのですが、
その時はまだオープンしており、少々古いけれど落ち着いた館内で
ゆっくり蔵書を眺めていました。
関心があるのは、
1、学生運動が盛んだった1960年代を描いた政治的な本。
2、今、世の中を震撼させている感染病に関する本。
3、読む本ごとに新鮮な空気に触れさせてくれるジェンダーの本。
そして、以下の3点を借りてきました。
政治的な本→「1968年 無数の問いの噴出の時代」
感染病に関する本→「四千万人を殺したインフルエンザ」
ジェンダーの本→「BLが開く扉」
「1968年 無数の問いの噴出の時代」は2017年10月に千葉県佐倉市にある
国立歴史民族博物館で開催された特異な企画展。
70年安保前夜、大学封鎖など学生運動が盛り上がった1968年の
政治的な動きを膨大な資料で語った素晴らしい展示会だったそうです。
静岡から遠いことと、私がその企画展を知ったのが終了間際だったため、
行く事叶わず、せめて図録でもと求めたのですが、すでに完売していました。
探して探してやっと県立図書館にある事を突き止めました。
本展は、1960年代後半に日本で起こった、ベトナム反戦運動や三里塚闘争・水俣病闘争などの市民運動・住民運動、全国的な大学闘争などの多様な社会運動に総合的に光を当てたものです。これらの運動は、戦後の平和と民主主義、そして高度経済成長や公共性を押し立てた開発計画のあり方、広くは戦後日本の政治的・経済的枠組みを「問う」ものでした。この時代に噴出した「問い」はいまなお「現役」としての意味を持ち続けています。また、1960年代後半は、日本の社会運動が、それまでの組織的な問題設定・問題解決の方式から、「個」の主体性を重視する特徴を強く顕し始める転換期でもありました。人々は様々な問題に対し異議を唱え、あるいは改革を要求する声を、各自の居場所で、多様な形態であげていったのです。こうした新しい社会運動のスタイルは後の時代にまで大きな影響を与えました。
「1968年」は、この時代の象徴的な出来事である東大闘争や日大闘争といった学生運動が活発に行われた年でした。本展は、当時を象徴する資料約500点を展示し、「1968年」を中心としたこの時代の多様な運動をより総合的に紹介することで、この時代の運動の意味を探ります。
「四千万人を殺したインフルエンザ」はコロナが話題になり始めた頃、
有名な読書家が推奨していた本で、読み始めたのですが長すぎて途中で断念。
こちらも古本しかないようで、もう一度借りて読みたいです。
そして、瀬地山角著「ジェンダーとセクシャリティで見るアジア」を
読んでいる時に知った本が「BLが開く扉」。
氏は上野千鶴子氏と並んでジェンダー論の第一人者です。
あの超面白かったTVドラマ「おっさんずラブ」を見るまでは
BLという言葉も腐女子という言い方も知らなかったけれど、
この本を読んでBLがいかにアジアの若い世代に
影響を与えているか納得しました。
BLは政治的であり個人的だ
BLはアジアでは独自の変容を遂げ、大きな社会的影響力を持っていた。
BL分析から見えるアジアの現状と日本の特異性――
世界のBL、LGBTQ、マンガ研究の第一人者たちがいま解き明かす。
主な執筆者
ジェームズ・ウェルカー/石田仁/金孝眞/シュウ・ヤンルイ&ヤン・リン/長池一美
/藤本由香里/トーマス・ボーディネット/堀あきこ/守如子/ワン・ペイティ
「政治」(学生運動)と「医学」(感染症)と「社会学」(ジェンダー)
これら一見して別々と思われる分野が、まさに今の世の中の
タイムリーな話題としてリンクしている。
連休中、これらの本を読みながらワクワクしてしまいました。
観世会素謡会で「鞍馬天狗」を謡う&文章教室で「ラブレター」を書く
昨日(22日)に続いて今日も(23日)忙しかった。
観世会新春素謡会にて能「鞍馬天狗」の
後シテ(大天狗)を謡う。
鞍馬寺にて修行する義経の前に大天狗が現れ、
弟子になることはどういう事かを
中国の故事を例えに語って聞かせる。
♪ そもそもこれは~
♪ 鞍馬の奥僧正が谷に~
♪ 年経て住める大天狗なり~。
全て「どっしりと」と肩書きがあるように
低く、腹の底から声を出さなければならず、
終わったらどっと疲れた。
午後は恩師が主催する文章教室へ。
今月のテーマは「ラブレターを書く」
こんな照れ臭い行為は苦手なので
スルーしようかなと思ったけれど、
あにはからんや、書き始めたら
スラスラと筆が運ぶ。
・・・・・「お早うございます。」
朝のウオーキングで、あなたと声を交わすたびに
胸がドキドキ、すっかり目が覚めてしまいました。
・・・・・・・・・・。
2つの講演会(山田静雄氏&上野千鶴子氏)をはしごしました。
週末土日はセミナーのはしごとなりました。
1/18「健康長寿と薬の新たな関係を考える」
(団塊創業塾主催 労政会館)
1/19 「手を取り合う女たち」
(企画運営しずおか女性の会 アイセル21)
薬の話 (山田静雄氏講演)
不必要な薬は止めるか減らしていきたいのは誰もが思うこと。
でも、医者に行って薬が出ないと文句を言う患者もいたり、
取り合えず薬は欠かさずたっぷり出す医者があったり、どちらもどちら。
減らすも増やすも医者はその薬の効果のエビデンスが必要だそうです。
私も4種類の薬を飲み続けていますが、具体的にそれら生活習慣病の
薬を減らしていいものかどうか、聞きたかったです。
薬を減らそうと鵜呑みにして何でもかんでもストップしてしまうのは
医者にとっても患者にとっても危険なんですよね。
女性学の50年の歴史の中で変わったものと変わらないもの。
いまさらフェミニズムでもと思ったのですが、
日本の女性の地位は世界から後れてしまっているとのこと。
男性(強者)のような女性になるのではなく、
ありのままで機会均等の社会にしていく。
誰もが高齢化し、心身が不自由になるとき、皆依存的存在になる。
安心して要介護、認知症になれる社会、障害者になっても殺されない社会を。
会場は女性が90%以上、シニアが80%以上。
男性に聞いて欲しいし、若い人に考えて欲しかったようです。
男性の私は上野さんからジェンダーの話、
高齢化社会の話をもっと聞きたかったのですが・・・。
でも、数人の女性からの質問は
皆、当事者としての現実味を帯びていて、
講師の返答を含めて大変参考になりました。
終わりに上野さんの名著「情報生産者になる」を購入し
ミーハーながらサインを頂きました。
一に工芸、二に盆栽、三四が・・・で五が鼠。
正月の4日、残っていた青春18きっぷを使って
東京方面へ美術館巡りをしてきました。
その時の印象の「強さ」の順位、best5がタイトルです。
工芸
近衛師団司令部庁舎であった建物が近代美術館工芸館として
使用されて33年。今年工芸館は金沢へ移ることになりました。
竹橋での最後の美術展が「パッション20ー今見ておきたい工芸の想いー」
人間国宝なる工芸家の代表作があちこちに。
明治以降の諸工芸がたっぷり過ぎて、一度では勿体ない位です。
盆栽
何度訪れても発見があり、心が洗われる大宮盆栽美術館。
冬は彩の少ない盆栽が多いのですが、
改めて見直したのが黒松の盆栽。
いたずらに技巧を凝らさず、土太い幹から瑞々しい緑を
広げる黒松が見事です。
松林図屏風
国立博物館国宝室の一月の展示は長谷川等伯の「松林図屏風」
十数年ほど前、米子で展示会を開いたとき宿泊した
ホテルのロビーから見た海側の景色がこの屏風の風景にそっくり。
等伯の薄幸な人生をそのまま表したような絶品ですね。
高御座と御帳台
令和の天皇皇后即位の場に使用された「高御座(たかみくら)と
御帳台(みちょうだい)」が今展示されていて、
30~60分待ちの人気です。
土曜は21時まで開場しているので、出来るだけ遅く最後に入場しました。
鼠
今年はネズミ年。「初春もうで」と題して、絵画や焼き物、書物など
鼠にちなんだ作品を展示してありました。
大宮盆栽美術館 65歳以上半額
国立近代美術館 70歳以上無料
国立博物館本館 70歳以上無料
と、70歳を過ぎたのでかなり気楽に美術館を楽しめました。