興味から恐怖へ/佐々木尚俊著「キュレーションの時代」
こういう事、「天啓」って言うんでしょうか。
まあ、そんな大げさなことではないのですが、
新書「キュレーションの時代」との出会いは、そんなようなものでした。
2月12日、朝日新聞の朝刊、書籍の広告欄。
「キュレーションの時代」「つながり」の情報革命が始まる
情報の常識は、すべて変わった!
自ら情報を選んで、意味づけし、共有する「一億総キュレーション」の時代がやってきた!
シェア、ソーシャル、チェックインなどの新現象を読み解き、大変化の本質を探る。
著者のことは、新聞や他の人のブログで聞いたことがある程度。
「キュレーション」と言う言葉も、「目利き」としか理解していない。
でも、筆者の顔写真入りの新聞広告を見て、とっさに
「欲しい! 読まなくては。」
その日の用事ももどかしく、戸田書店に向かう。
戸田書店では、その本は山積みに。
いったいどの位の人が読むことを予想しているのだろう。
目が疲れるから、イッキにとまではいかなかったけれど、
読み途中の、「西行花伝」「芸術闘争論」「醜い日本のわたし」を
飛び越して、3日で読んでしまった。
凄い!。実に面白い本です。
本当に、筆者の言っている現象が世の中に起こりつつあるなら、
十年後(いや、もっと早く)、情報社会は革命的に変わっているでしょうね。
キーワードは「キュレーター」が起こす「キュレーション」。
コンテンツより、コンテキスト(文脈)が重要。(村上隆と同じだ。)
ソーシャルな世界で、チェックインし、シェアが起きる。
マスコミやブランドは置き去りにされていく新しい時代。
その変革を、映画・美術・音楽の世界の具体例を上げながら、
丁寧に読み解き、解説していきます。
率直に言って、棺桶に半分足を突っ込んだ年代の私には、恐怖でした。
こんなことになったら私はどうなるの?我が社は?
軸が定まらない、正論など与えられない不安。
未来は「カオス」に満ちている。
でも、キュレーター化した私やあなたが、光を放ち、光を求めていく「コスモス」。
そう信じて、この本をぜひ、読んで下さい。